男マンの日記

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RIZIN.34 令和に蘇ったUWFの未来形!中村大介VS山本空良!

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令和に回転体が蘇るか?中村大介VS山本空良!

先日行われたRIZIN.34、メインイベントは萩原京平VS弥益ドミネーター聡志 、ドミネーターが見事に三角絞めで萩原を降し、その技術を見せつけました。

他にも皇治vs梅野源治戦では判定を巡って梅野がキレて試合後インタビューで不満をブチまける、ということに。かなりインパクトありますのでこれは動画貼っておきます。

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それはともかく個人的注目だったのは中村大介vs山本空良の「UWF対決」でした。田村潔司の弟子、中村大介と山本喧一の息子であり弟子でもある山本空良。奇しくも共にUWFインターナショナルでキャリアを重ね、その後RINGSでも僅かですが同じ時期に所属していた田村潔司と山本喧一。しかしその主張、闘いへの考えは対立し、両者はたもとを分かって交わらない人生を送ります。山本喧一はその後UFC-JAPAN出場、総合格闘技を経て北海道でジムを設立。PFCという総合格闘技の大会を主催し、選手を育成していきます。

p4pfc.com

ちなみに、山本喧一の田村潔司への感情はこのインタビューを読むと分かりすぎるほど分かるはず。愛憎、というには生々しすぎる感情の吐露。田村ファンにはショッキングな描写もありますが面白い。

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有料記事ですが、これは金払って読む価値のある記事だと思います。そしてこれを読んでから中村VS山本戦を見るとまた深い感情が生まれてくるはず。YOUTUBEでも田村潔司について語っています。一方の田村は公の場で山本喧一に触れることはなく、ここからも二人のただならぬ関係性が伝わってきます。

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まあ、とはいえ試合するのは中村大介と山本空良。しかしながら否応なしにふたりとも「UWF」を背負った師匠に育てられているだけに、自然とUを背負った闘いを志向することに。特に中村大介はUWFに強いこだわりを持ったままRIZIN参戦、初戦で勝利をあげていました。そのときのエントリはこちら。

otokoman.hatenablog.com

切り抜きでYOUTUBEもまとめましたのでご覧ください!

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どもかくも、このようなバックボーンがある、「UWFを背負っている」といえる二人が総合格闘技、RIZINで闘うという燃えるシチュエーション。中村大介もはっきりと「UWFインターナショナルの未来形」と話した試合。いざゴング!

 

 

目まぐるしい寝技&膠着ながらも見応えのあるスタンドの攻防!結果は?

RIZIN34,第14試合で行われたこの試合、試合前に流れる煽りVでも、二人の「UWF」を巡る闘いが軸になっていました。

「自分の父親がUWF」

「中村大介もUの戦士」

「リング上でUを語り合おう」

「Uチルドレンが織りなす、Uの未来形を見よ。」

これでもか!というUWF煽りで試合がスタート!!

フル試合動画上がってますんでご覧ください。こちらから!

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試合は1R、中村がノーガードでカウンター狙いの打撃を放ち、山本は距離を取りながらパンチ、キックを放っていく展開。ジャンプしての膝など積極的に攻めていた山本ですが、不気味に前に出る中村の前に背中を見せて逃げる場面もあり、終盤テイクダウンされますが下から十字を取ったところで1R終了。

2Rは早々に寝技の攻防になり、中村が得意のアームロック狙い。しかし山本もしっかりと対応していきます。回転しながらポジションを変えて逃れ、腕ひしぎ十字固め狙いも切り返してバックを取る。一度十字を取られかけて危ないか!?という場面もありましたが上手く抜け、再びスタンドに。

しかし、徐々に中村の圧を受けてスタンドで距離を取り、下がる山本。攻め込めない自分へのもどかしさを感じているようですが、セコンドの山本喧一の落ち着いたアドバイスを受けて自分のペースを守ります、しかし中村も前に出ながらなかなか手を出せず、スタンドで膠着する展開に。しかし互いに「狙っている」膠着だけに緊張感が続きます。レフェリーの「アクション!」の声に山本がもどかしそうに叫ぶ場面も。そのままゴングが鳴って2R終了。

そして3R、もどかしげに叫ぶ山本、中村も「やろうやろう!」と呼びかけてスタート。一点互いに手を出していき、ノーガードの中村の顔に山本のパンチが入る場面も。山本もヒザを出せば中村もアッパーで対抗。互いに攻めあう打撃戦が展開します。

そして組みの体勢になり、コーナーにに中村が押し付けるも再び離れてスタンドに。山本のローキック、中村の右フック、ストレートが入るも山本もヒザで迎撃。しかしバックを取られた山本、ここでUWF定番ムーブ、回転してヒザ十字を取りに行く動きに!しかしこれは中村に潰され、上からパンチを喰らい、残り一分を切る中、互いに足を狙いつつ殴り合い、ドロドロとした展開のままゴング。互いに悔しそうではありましたが座礼をして握手。二人の「UWFを総合格闘技で実現して、それで勝ちたい」という気持ちが伝わってくる勝負でした。

判定は2-1で山本勝利。個人的には中村勝利かな~と思いましたが、積極性と手数では上回っていたところが評価されたか。互いに試合自体への不満はありそうでしたが、緊迫感のある試合で面白かった、今の総合格闘技でありながら、UWFを感じさせてくれました。

高田延彦、山本喧一、田村潔司。一瞬香った「UWFの残り香」

試合後、UWFファンへのご褒美というか、山本喧一と中村大介が長時間談笑する場面も。田村潔司の弟子、中村とその田村とバチバチだった山本喧一が談笑しているだけでもうこっちは胸が一杯になってました。

そして、試合後の高田のこのなんともいえない表情。色々あったけどこの場面を作ってくれて、この試合を高田が見ている。UWFの残り香のようなものを感じた気がします。

そして、試合後の二人のインタビューでは勝敗的にくっきり別れたものの、この試合には満足していない、という感情があらわになっていました。特に中村大介インタビューは本当に悔しさがいっぱいで、闘うことへの意欲が溢れすぎて感動しました。42歳だけど、まだまだ強くなる!強くなれる!という決意。往生際の悪さと闘いへの闘志。早くも次の試合が見たくなりました。

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一方の山本空良も思い通りの試合ができない無念さを語り、しかし勝ったことで上の選手と闘っていきたい、という希望も話していました。未来のある若者らしい希望、同時に自分を客観的に見る視点もある。これは強くなる!と感じさせてくれるインタビューでした。

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このように、一試合にUWFが凝縮されているような空間でもあったこの中村大介VS山本空良戦。なんというか、これが総合格闘技の舞台、RIZINで行われたことに意味がある。GLEATでもハードヒットでもなく、RIZINでUWFを見せてくれた。正直、自分の中の何かが満たされたような。そんな一戦でした。感謝の念に包まれた試合でした。

なにはともあれ...。

中村大介選手、山本空良選手、両者の未来に幸あれ!