覇王VSタダスケの敗者追放マッチはタダスケ勝利!覇王追放!
先日行われたプロレスリング・ノア6・23「N Innovation」新宿FACE大会。ノアのジュニアヘビー級中心の大会ブランド「N Innovation」で、タダスケと覇王の間で「敗者ノア追放シングルマッチ」が行われてタダスケが勝利。負けた覇王はノア追放が決まり、号泣しながらリングを去っていき、今まで姿を見せていません。Twitterアカウントも削除されたとのこと。
この興行自体は新宿FACEが満員となり大成功。今までなかなか集客に苦しんでいた「N Innovation」が一つの結果を出したのは喜びたいし、これから勢いに乗って欲しいところ。まあちょっと新日ジュニアにはベスト・オブ・ザ・スーパージュニアでの外国人選手大挙参加&リンダマンブレイク、KUSHIDA帰還などあったためにその規模感ではかなり水をあけられてしまったものの、ノアジュニアはノアジュニアで一歩一歩進んでけばいい、今回はその輝かしい第一歩、私はそう思ってます。
私は配信で見てましたが、この試合、試合終了後の観客席も静まりかえり、その後SNSでもかなり批判の声が飛び交ったのも確か。私この件についてツイートしましたが、なんか結構なリアクションを頂いたので、あのとき思ってたことをもうちょっと掘り下げてみます。
そのときのツイートがこれ。もうすぐ100いいね!私の中ではバズったほうなんです。
追放マッチやるんなら、ノア背広組の出役の人(例えば武田さんとか)がしっかり試合前に追放マッチだと認定して立ち合って、負けた覇王に「負けたからノア追放」とか言い渡さないとなんかふんわり終わってしまうというか、こっちがどう捉えていいのかわかんないよなー。 #noah_ghc
— 男マン@skebはじめました (@otokoman) 2022年6月23日
試合自体は覇王がタダスケに対してかなり粘りを見せ、あわやという場面もあったんですが身体のサイズの違い、パワーの差を生かしたファイトでタダスケが振り切って勝利。観客は静まりかえり、覇王は号泣しながらリングを去りました。
とはいえ、私は正直覇王がメイン後キャラ変してGHCジュニアを防衛したHAYATAを襲うのか?フリーになった梶トマトとか連れてくるのか?と思って見てたので普通に試合が終わって(まあ吉岡にKOされるHAYATA、っていう波乱はありましたけど)拍子抜けしたというかぽかーんとしてました。
この「どうせ辞めるって言って辞めないんでしょ?」みたいな邪推。プヲタの悪い癖でもありますが、だってそれくらいしてくれないとあのセミファイナルのお通夜みたいな空気は払拭されない。せっかく満員になったのにバッドエンド(まあセミだけど)なの?満員になった日こそお客を笑顔で返してほしかった。
なんかバッドエンドにしても後味悪いんですよね、今回の追放って。一時期新日本でEVILがIWGPを反則、乱入で防衛してそりゃあもうファンにボロクソ言われてたときありましたけど、あれはバッドエンドにしても心置きなくヒールのEVIL、東郷にブーイング飛ばせたんでカラっとしたバッドエンドだったんですけど、今回はリング上に誰も悪役がいない。タダスケも割とあっさり帰っちゃうし、金剛も悪の限りをつくしてくれないし、観客の悲しみのぶつけどころがない。悲しみを誰かにブーイングとしてぶつけられないのでただただ悲しい空気に包まれてしまっていた。こうなったのはこの試合の成り立ちから原因がある、と私は思ってます。
そもそもこの今回の追放マッチ、ヒール寄りのユニットである金剛のタダスケが試合後いきなり(まあHi69が負けて髪切り&改名、という伏線の上ですが)覇王にいきなり「敗者追放マッチだ!」ってふっかけて、それが普通に通ってしまった。なんか早めに覇王が悲壮感漂ってたし。原田も覇王に「お前ならやれる」って言ってるし...。
普通に考えたら試合で負けたとは言えJr正規軍側の反応は「何いってんだ?タダスケにどんな権限があるんだそれ?」ってなもんだと思うんですが、そこにあまり抵抗がなく追放マッチが通ってしまった。そこにどうしても疑問を感じてしまいます。
プロレス団体、破天荒なレスラーたちが闘っていても基本的には会社組織、そこは社会の縮図であるわけで、意思決定のための組織がある。追放マッチをするにしても、例えばWWEで言うとビンス、AEWでいうとトニー・カーン、新日本でいうと大張社長、DDTで言うと高木三四郎や今林さんみたいな背広組がレスラーに命じるならわかります。しかし、タダスケに言われただけのあの時点で覇王は一切追放マッチを受ける理由がない。そこで例えば強大な権力によって追放マッチを強制され、無理やり追放されるのであれば覇王が追放されたとき「あの権力者のせいで!」と観客が怒りを向けることができ、そこから善悪のストーリーができていくはず。
または、そのような流れはノアにはそぐわないのだとしたら、例えばタダスケが武田さんに覇王との追放マッチをプレゼン、渋る武田さん、しかし覇王も「このままじゃいけない」とタダスケより強く武田さんに直訴、武田さん渋々了承、というような流れがあればだいぶ印象が違ったはず。
ノアは伝統的に闘いで見せる、というポリシーを持った団体ではありますが、ただジュニアヘビーで今回行われた追放マッチの流れは本来このような強大な権力(例えば武田さんとか、サイバー副社長の丸藤選手とか)による強制、または説得などがないと成り立たない強引なものだった、と私は思います。
ただ、100歩譲ってあの試合中、セコンド陣も覇王ももうちょっとあがいてくれたらこっちも仕方ない、と受け入れられたかもしれません。セコンドについていた小峠らが思わずレフェリーに手を出してしまうとか、執拗に抗議するとか、覇王ももっとなりふり構わず反則上等で闘うとか(まあそういうキャラクターじゃないのはわかりますが)なんというか「あがき」を本人だけじゃなく周りも見せてほしかった。ちょっと決定事項に従順過ぎるのも気になりました。
まあこのエントリずっと文句ばっか言ってるような感じですが、そもそも「モヤモヤ」について考えてるので許していただきたい。最後に一つ。小島聡の覇王追放へのツイートが真っ直ぐに覇王に向き合っていて良かったんですが。
敗者追放マッチとか、本当に切なさしか残らないんだけど、プロレスラーを辞めなければ、いつかどこかで再会できるのもプロレスだから。
— 小島 聡【SATOSHI KOJIMA】 (@cozy_lariat) 2022年6月23日
実際私は今日、近藤修司選手と10年以上ぶりにリングで再会した。
覇王君へ…今日流した涙は無駄じゃないから。だから現役を続けて欲しい。#noah_ghc
この言葉を、この言葉よりエモい言葉をノアJrの仲間が覇王に対して言って欲しかった。そしてバズって欲しかった。なんかこう、この試合に関してはもっと互いの、そして周りの感情がはじける瞬間が見たかった。ってのは私がガンプロユニバースだからなんでしょうか。まあ今日はこんなところで終わりにしときます。とりあえず来月はニンジャ・マック来日。楽しみです。