というわけで冬休み最終日なんですが、私は絶賛インフルエンザ中なので後2日ほど休まざるを得ないというか。というわけで粛々と1・4東京ドーム見ていきます。前半戦はこちらから。 今回はメイン前までです。
第六試合 IWGPジュニアヘビー級選手権試合
◯石森太二
11分17秒 ブラディークロス→片エビ固め
✕KUSHIDA
※KUSHIDAが初防衛に失敗。石森が第83代王者となる
WWE行きが噂されているKUSHIDA。入場時のバック・トゥ・ザ・フューチャー演出もなんだか勝手に「送り出す」感を感じてしまうから不思議。田口とのアイコンタクトも惜別っぽかったり。新日本の契約は1月末までなのでもうすぐ結論は出るはず。楽しみに待ちましょう。
試合早々グラウンドの攻防で目まぐるしく動いていく二人。KUSHIDAのアームロックを堪えてクロスフェースに切り返すなど、気の利いたグラウンドの攻防がこの二人ならでは。やはりハイフライヤーであってもグラウンドで魅せれるというのが見ていて試合に説得力を増してくれます。
その後スタンドに移ってKUSHIDA、石森ともに蹴りの攻防から石森がロープ・スープレックスからの450スプラッシュ、しかしそれを捕獲したKUSHIDAが腕ひしぎからフェイスロック、三角絞めと流れるような寝技で攻め立てる、一旦石森に持ち上げられるもアームロックで返していくKUSHIDAでしたがカウンターのミスティカ式クロスフェースで返される。試合巧者同士ならではの攻防が繰り広げられます。面白い!
その後も石森が仕掛けたサイファーウタキを返してレフェリーにヘッドシサーズさせて腕を蹴るなど頭を使ったファイトを仕掛けるKUSHIDAに対し、ムリヤリ持ち上げてサイファーウタキに持ち込む石森、パワーで圧倒しようとします。力の石森、技のKUSHIDA、といった趣き。そのパワーでテララーニャ(変形DDT)を仕掛ける石森ですが、KUSHIDAが上手く着地。腕を掴み、ホバーボードロックに持ち込みます。このチャンスで極めきりたいKUSHIDAですが、脱出されそうになって回転したところをジャックハマーのように投げられて脱出されます。
コーナーにもたれたところをダブルニーを喰らい、その後バック・トゥ・ザ・フューチャーで返すも不完全。顔面パンチからロープに飛んだところをカウンターのフットスタンプで強引に踏み潰されてからのブラディークロスで3カウントを奪われて石森勝利。タイトル移動となりました。
最後比較的あっさりと終わったタイトルマッチでしたが、互いのレスリングのぶつかり合い、頭脳戦は見応えがありました。総合格闘技からハッスル、SMASH、そして新日本プロレスと渡り歩いてきたKUSHIDA。登龍門、エルドラド、ノアと渡り歩き、新日本プロレスにたどり着いた石森。互いのキャリアの豊かさが垣間見えた一線となりました。正直、ドーム以外の舞台でじっくりと20分くらいのロングマッチが見たかった。でもまあ、またやることもあるでしょう。
そして、その後丸藤正道に応えての石森のツイッター。なんというか、正直ツイッター以外で見たいやり取りではありますが、まあグッとくるものがあるのは確かです。
自意識過剰だったら恥ずかしいですが…
— 石森太二 (@taiji_ishimori) 2019年1月5日
ノアで学ばせて頂いた経験を武器にこれからも闘っていきます!
ありがとうございます。
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※2019・1・8追記
1月7日、新日本プロレスの記者会見で、KUSHIDAの新日本プロレス契約満了が発表されました。やはりあの1・4での入場、田口とのアイコンタクト、そして1・5でのオスプレイとのやりとりなどは惜別の意味だったんだな、と改めて。
いつも応援ありがとうございます。1月末で新日本プロレスを退団することを発表させて頂きました。プロレスラーとしての命を使い切るためにこの決断をしました。腕試し、度胸試し、出稽古、他流試合、好奇心…いまの気持ちを表すと、そんな言葉たちが今心の中に存在しています。 pic.twitter.com/koY2XORYjQ
— KUSHIDA (@KUSHIDA_0904) January 7, 2019
ただ、1・4での試合では石森と手があってたようなのでもう少し見たくもありますが、WWE行くという噂もあるのでその通りになったらまた色々おもしろい組み合わせもあるだろう、と思います。BOSJ決勝が両国になった、その礎を築いての退団。これから行く先に幸あらんことを!
第七試合 スペシャルシングルマッチ
◯ジェイ・ホワイト
14分18秒 ブレードランナー
✕オカダ・カズチカ
外道から別れ、新しい道を歩み始めたオカダ、「今のジェイを見て、昔はああだったと思ったら恥ずかしくなった」という煽りVから試合は始まります。
そして新コスチューム、ショートタイツのオカダ。チャンピオン当時より肉がついた印象です。
ジェイがリング内からバックドロップの形で場外にオカダを投げ捨ててから荒れる展開に。鉄柵にオカダを叩きつけ、放送席、エプロンと連続で叩きつけていく。完全なヒール・ファイトでオカダを追い込んでいくジェイ。そこにもう新人らしさはなく、ふてぶてしさすら感じるほどです。
しかし、そこからリングに戻してネックロックでじっくり締め上げていくのがジェイのまたジェイらしさ。きっちりと「静」のグラウンドレスリングに戻す。小憎らしいくらいの余裕を感じます。そして軽いビンタで挑発。精神的なゆさぶりをかけていきます。
しかしここからオカダ、怒りの逆襲。ビンタからコーナーへのランニングエルボー、コーナーに追い詰めてのエルボー連打でジェイをダウンさせると、コーナーにジェイを登らせてのドロップキック。さすがに増量した分少し高さは劣りますが場外に吹っ飛ばす威力。そして場外では鉄柵超えのプランチャ。会場の空気も一気にオカダ寄りに。ペースを取り戻していきます。
リングに戻したジェイにトップロープからエルボー、そしてレインメーカーポーズ。しかしさすがにジェイもこれはエルボーで阻止してコンプリートショットからの投げっぱなしジャーマンで反撃。そして裏投げからフォール。カウント2で返されるとブレードランナーを狙いますがこれは返されるもショートレンジラリアット。そしてここで外道が乱入しようとするスキにイス攻撃を狙いますがかわされ外道と同士討ち。オカダドロップキック二連発!ここでオカダ反撃か?と思わせますがレインメーカー狙いを返したジェイが小橋建太ばりのスリーパースープレックスでペースを渡しません。すかさずキーウイクラッシャーで叩きつけ、ブレードランナーを狙うジェイ。しかしここはオカダもかわしてツームストン。一進一退の攻防が続きます。
このキャリアでバタバタせずにオカダとしっかり渡り合ってる時点で上手さを感じるジェイ。打撃の打ち合い、読み合いからドロップキックからのレインメーカを狙われますが執拗にブレードランナー狙い。オカダも執拗にレインメーカーを狙い、一度はローリング式で喰らいますが、正調レインメーカーにいこうとしたオカダの腕をたぐってブレードランナーで切り替えして3カウント!ジェイがオカダから勝利を奪いました。
アナウンサーが凄く「大事件です」って言ってましたが、今回特に反則もなく、そこまで番狂わせ感もなく普通にジェイが勝ってました。切り返しあい、駆け引きのプロレスでチャンピオンロードを歩んできたオカダにその部分で上回った。大きい勝利と言えるでしょうし、普段着のファイトだったのが末恐ろしい。
一方オカダはこの先どうするか。棚橋がタイトルを取り、次の挑戦者はジェイっぽいですが、その次にどうインパクトを持って挑戦にこぎつけるのか。オカダの「ネクスト」が問われそうです。第六試合、この第七試合とクレバーなレスリングマッチ。堪能させていただきました。
第八試合 IWGPインターコンチネンタル選手権試合 ノーDQマッチ
◯内藤哲也
22分35秒 デスティーノ→片エビ固め
✕クリス・ジェリコ
※ジェリコが2度目の防衛に失敗。内藤が第20代王者となる
煽りVは軽く内藤の「プロフェッショナル・仕事の流儀」出演をギャグにしたりしたもの。内藤が挑発してジェリコが怒る、というもの。個人的には内藤って「制御不能のカリスマ」っていうより「適度な毒吐いて煽るだけ煽って無難に乗り切る」って印象が強いんですが・・・。制御はものすごく効いているような。繊細に見極めているキャラクターだと思ってます。
試合は内藤の急襲からスタート。いきなりの場外戦。ジェリコのマフラーで首を絞め、机に叩きつける内藤。いきなりラフに飛ばしていきます。そして花道でのパイルドライバー!悪い内藤!
リングに上がっても、コーナーマットでブン殴る内藤。しかしこれわりと柔らかそうなのでどうなのか、という気もしましたが。ジェリコをフランケンシュタイナーで投げておなじみのポーズ。ノリノリです。
しかしここで逆転が。プランチャを狙った内藤を竹刀で一閃!内藤をボコボコにしていきます。コーナーに登り、内藤おなじみのポーズをしてから思いっきり「面!」炸裂。その後も竹刀で首を絞め、完全にジェリコがペースを握っていきます。
その後もエプロンの内藤を竹刀でブン殴った挙げ句に三角跳びのドロップキックと身軽さを魅せた後にTVカメラで遊ぶ余裕も。場外ブレーンバスターから鉄柵攻撃、本部席でのDDT!机に垂直に内藤が突き刺さる!このペースを握ってからたたみかけるスピード感はさすが元スーパーヒーロー。いっぺんに空気を持っていきます。いや魅せる。
リングに戻っても、コーナーからのクロスボディ、そして懐かしのライオンサルト!だいぶ重くなったジェリコですが、しっかりと自分の技を出していきます。
そして、バックドロップで内藤を投げた後にマッチョポーズで「フユキサーン」と叫ぶジェリコ!いや、これやった時点でジェリコの勝ちというか。しっかりとメッセージを残してくれました。もともと1991年にはFMW、1993年からはWARに参戦していたクリス・ジェリコ。冬木弘道、邪道、外道、とともに行動し、一時期「ライオン道」と名乗っていました。(このときはもともと「ライオン・ハート」というリングネームで活動していました)
そこからアメリカでECW,WCW,WWEとスター街道を突き進んできたジェリコ。しかし日本のファンの前で、あのときのキャリアを忘れていないことをアピールしてくれました。
冬木弘道は2003年に亡くなっていますし、WARも2006年に活動を停止しています。WAR総裁の天龍源一郎は引退し、阿修羅・原も亡くなっています。30年近く前のことを大事にしてくれている、とあのワンアクションで表現したジェリコ。さすがに凄いレスラーだと言わざるを得ないでしょう。
しかしここから内藤が反撃。コーナーに追い詰めてツバをかけ、ネックブリーカーから顔面を踏みつけまくる。いつもの内藤よりヒール寄りのファイトでジェリコを追い込んでいきます。
しかしジェリコも内藤のコーナーでのドロップキックをキャッチしてウォール・オブ・ジェリコ!苦しんだ末なんとか逃れた内藤ですが延髄斬りを喰らい、コードブレイカーをかわしてスイング式DDT、グロリアと連発。これはカウント2で返したジェリコ。ディスティーノを狙う内藤ですがこれはかわされ再びウォール・オブ・ジェリコ。ロープ際からリング中央に戻してギリギリと締め上げていきます。
ここで再び鍵を握ったのが竹刀。締め上げられたまま竹刀を持った内藤は殴って脱出。ジェリコをロープに振ってカウンターでフルスイング!珍しい凶器攻撃をくりだす内藤。しかし慣れないせいか、次にフルスイングしようとしたタイミングでジェリコにかわされてコードブレイカー一閃!そしてリング上にイスを投げ入れてイス攻撃!しかしイスの上へのパワーボムを狙ったジェリコをイスの上でのスイングDDTで切り返し、掟破りのコードブレイカー!
しかしジェリコもさすが。コーナーに登った内藤にイスを投げつけて阻止。しかし内藤も雪崩式ブレーンバスターを切り返してジャーマン!ディスティーノを狙いますがかわされてジェリコの金的!ふたたびコードブレイカー!金的前にレフェリーを軽く突き飛ばして後ろを向かせておく周到さ(でもDQマッチだから別にレフェリー見てても良かったのでは・・・。)
しかしこのコードブレイカーを2で返した内藤。ベルトを持ち出したジェリコの攻撃をかわしてついにディスティーノ炸裂!しかし2で返すジェリコ!
しかし内藤、そのインターコンチのベルトで起き上がったジェリコを殴打、改めてディスティーノを決めて3カウント!内藤哲也がクリス・ジェリコに勝利しました。
内藤は勝ちましたが、試合としてはジェリコの役者の違いが見えた試合でもありました。そのたたずまい、いざというときの畳み掛け、そして「フユキサーン」と叫んでのマッチョポーズとしっかりと魅せてくれました。
さてセミまで振り返りいよいよメイン(ダブルメインイベントですが、まあセミでいいでしょう)すでにケニー新日本離脱が既成事実化してますが、じっくりと振り返る予定です。その他上げたいエントリもあるのでちょっと先になりますが、今週末くらいにはアップ予定です。まあもう結果も出てるので、ゆっくりとお待ち頂けると幸いです、それではまた。