男マンの日記

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衝撃のアクシデント決着。G1クライマックス31、オカダ・カズチカ優勝!

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飯伏幸太試合中負傷!レフェリーストップによりオカダ・カズチカ優勝!

2021年10月22日、新日本プロレス一年の中で最も大きなイベント、ヘビー級戦士のシングルリーグ戦、G1クライマックスの優勝決定戦が行われました。

 

日本武道館大会のメインイベント。優勝決定戦として、Aブロック1位、4年連続優勝決定戦進出のの飯伏幸太とBブロック1位、2014年以来の決勝進出となるオカダ・カズチカが対戦しました。

ちなみに戦前に書いたエントリはこちら。優勝者は「新日本プロレスがコロナ禍での苦しみから脱出する、G1クライマックス優勝者はそのアイコンとして団体を引き上げていく役割を期待される。と私は思っていました。

otokoman.hatenablog.com

そして、大きな話題になったとおり、結果は飯伏幸太がフェニックス・スプラッシュを自爆したときに肩を負傷。そのままレフェリーストップでオカダ・カズチカの勝利。

途中でレフェリーストップだったにもかかわらず試合時間は25分超えのこの時点でもかなりの熱戦でした。特に飯伏は20分経過頃に必殺カミゴェをオカダに食らわせており、勝機と見てのフェニックス・スプラッシュ。それだけにいきなり試合が終わってしまい、飯伏にも、オカダにも、観客にも、新日本プロレスにも残念な結果となりました。

第5試合 時間無制限1本勝負 「G1 CLIMAX 31」優勝決定戦

○オカダ・カズチカ[Bブロック1位]
(25分37秒・レフェリーストップ)
×飯伏幸太[Aブロック1位]

飯伏の怪我の状況はかなり重く、リングドクターが応急処置をしたものの、自力でロープをくぐって外に出ることが出来ないために若手がリングロープを外したほど。22日夜の時点で「右肩脱臼」の診断と報じられています。

 

その瞬間、なんともいえない、軽くキレてるような表情を見せたオカダでしたが、謝る飯伏の手を取って檄を飛ばし、改めて勝ち名乗りをあげ、トロフィー、フラッグとともに写真撮影を終えてから改めてマイクを取りました。そしてここからオカダの「壮大な謎掛け」が始まるのです。

   

オカダの「IWGP」への問いかけ。そして主役への道

マイクを持ったオカダ、テンション高い絶叫からマイクを始めます。

G1クライマックス~!!

決勝戦、ケガでレフェリーストップという形になってしまいましたけどもッ!

僕は胸を張って!G1クライマックス31のチャンピオンだと言いたいと思います!
 日本全国で熱い闘いをしてきたという自負もありますし、勝ちは勝ちです。

 

G1クライマックス31、チャンピオンはこの俺だ~~!!

 

本当に、1ヶ月のあいだに、熱い熱い熱い声援、本当にありがとうございました!!

これから東京ドームに向けて...。ま、東京ドーム、関係ないね!新日本プロレスの中心は“レインメーカー”オカダ・カズチカでしょう。俺が盛り上げていかないと、面白くないでしょう!

 

任せて下さい。新日本プロレス、また俺がいろいろと背負いたいと思います!

というわけで! …と言いたいところですけれども、飯伏幸太! …不完全燃焼なんです。またやろうぜ、この野郎!

大歓声に包まれる客席。アクシデントによる試合終了という不測の事態の中、観客の中のざわつきを押さえ、歓声に変えていったオカダのマイク。そしてここからトーンを一段階下げ、団体への要望を話していきました。

あと、G1チャンピオンとして、新日本プロレスに、ひとつお願いさせて下さい。飯伏幸太と、またやらして下さい。その飯伏幸太を待つ証として、“4代目IWGPヘビー”のベルトを俺に下さい。別にチャンピオンじゃないですよ。IWGPヘビーを、飯伏幸太を待つ証として、俺に預けて下さい。そして、新日本プロレス、その中心として、俺が!! 盛り上げていきたいと思います!

そんなオカダ・カズチカから目をそらすなぁ! というわけで!

新日本プロレスにカネの雨が降るぞ~!

そして観客の歓声に応えつつ去っていったオカダ。しかし、この段階では観客も、そして実況席も軽く混乱していたように見えました。オカダの意図について周りがつかめないまま、リングから去っていきました。

 

続いてバックステージで記者からIWGP発言について質問され、それに応えてオカダは次のように話しました。

4代目のベルトが2つあったのを、一つにしたのは飯伏さんですから。それでね、別に「IWGPヘビー級チャンピオンだ」と名乗るつもりもないですし、その証として、僕がそれを持ってて、またそれを飯伏さんを待つという意味で僕が持つということはいいことじゃないかと思いますし、『G1 CLIMAX』のチャンピオンですから。いつもだったら権利証と言ってましたけども、別にそれは持っててもいいんじゃないかなと思いますけどね

そして、記者から「鷹木の持っているIWGP世界ヘビーのベルトにすぐにでも挑戦したいということか?」と問われると

挑戦?僕がですか?挑戦するのは無効でしょ。だって僕はG1クライマックスのチャンピオンになった。鷹木はなってないですよね。

と一蹴。IWGP世界ヘビーのベルトではなく、IWGPヘビーのベルトが欲しいということか?と問われると

だって僕はずっとIWGPヘビーじゃないですか。別に。チャンピオンが出てるトーナメントで優勝したのが僕ですから、まあやりたければ別にやりますよ、と。

お願いされれば別に僕もやりますし。まぁいつもだったら、東京ドームでG1チャンピオンがチャレンジという形でしたけど、IWGPヘビーじゃないんで。世界ヘビーなんで。だったら挑戦してきなさいと。

どっちが上だと思ってんの?って。
どっちがこの新日本プロレスを盛り上げてんの?満足させてるの?って。
このG1クライマックスを盛り上げたのはどっちですか?って。

鷹木選手なの? いや俺でしょ。どんだけ俺がこのG1クライマックス盛り上げてきたと思ってんの? チャンピオンは誰なの? 俺でしょ! っていうことですね

と、ベルト絡みのコメントは以上でした。

私が受け止めたことによると、オカダが言っていたことは、1・4ドームでIWGP世界ヘビー級の鷹木信悟に、自身が4代目IWGPヘビー級ベルトを持ってタイトルマッチを行いたい、という意思表明のように思います。

バックステージでは公式戦でオカダに勝ったタマ・トンガが乱入し、権利書への挑戦を表明。オカダもそれは受ける意向のようなので、例年のような流れは踏襲するのでしょう。その上で改めてオカダ自身が最も輝いていた時期、IWGPヘビーのベルトを12回防衛した2016年から2018年の間。オカダ、新日本の輝きの象徴を持ってタイトルマッチに挑む。「G1クライマックスの優勝者はIWGPヘビー級王者の”挑戦者”」だという今までの価値を少しずつ変えていく、という決意を見たように思います。

   

まとめ。

飯伏幸太が負傷のため、残念な優勝決定戦になったG1クライマックス31でしたが、負傷者が続出した大会でもありました。

膝を痛めて長期欠場必至の内藤哲也、アバラを痛めて最終戦欠場したタイチ、そして今回の飯伏幸太。40歳手前の選手が主力になっている今の新日本プロレス、今回のG1クライマックスの日程、また選手自身のファイトスタイルも考える時期になっているのかな、と感じました。

また、20分超えの試合が「いい試合」として称賛され、そのレベルの試合を続けることを求められる重圧、肉体的負担についても考えないといけないでしょうし、それって本当に「いい試合」なのか。「いい試合」って面白いのか、についても問いかけが必要な時期が来ているように思います。

 

飯伏は本当に心配です。肉体的にもですが、精神的にも追い詰められているような言動が今回は目立っていたように思います。まず怪我を直すのもそうですが、彼の精神的なケアも新日本プロレスには考えてほしいし、外でのびのびと試合をする機会なども探って欲しいところです。

 

そしてオカダ。今回のマイク、コメントで噴出したのは「新日本を支えている、盛り上げているのは自分だ」という強烈なプライドと現状への不満。今回の4代目IWGPベルト、KOPW2020など、新日本プロレスのシステムを変えようとしている意欲を感じます。そのオカダの怒りを鷹木にぶつけることで、これまでとは違うオカダ・カズチカ。これまでとは違う新日本プロレスが見れるんじゃないか。これがG1クライマックス31に見えた希望。衝撃的な優勝決定戦でしたが、ハッピーエンドではないにせよ新しい新日本プロレス。新しいオカダ・カズチカのかけら一片は見えた。そんな大会だったように思います。とりあえず改めて。

オカダ・カズチカ選手、G1制覇おめでとうございます!