男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

1・1プロレスリング・ノア日本武道館大会(ノア部分)感想。清宮海斗と拳王の覚悟対決!

「俺達の試合はセミファイナル」謝罪から始まったGHCヘビー級選手権!

2023年の1月1日に行われたプロレスリング・ノア日本武道館大会。今回久々に友人が名古屋から来て観戦する、ということなのでチケット取ってもらって一緒に観戦しました。やはり「ムタVS中邑真輔」というヒキは凄いものがあり、結果、観客動員は9500人。ノアでも史上最高レベル、ドーム大会やった時期くらいの観客動員数を叩き出していたいわゆる「神興行」となりました。

今回はそのムタVS中邑以外。いわゆる「ノアパート」についての感想を書いていきたいと思います。実際この9500人の中で「ムタVS中邑がなかったら来なかった人」がどれくらいいるかと考えたら観客動員半分以下くらいになりそうなので、2月の武藤引退を考えたらこのノアパートで今後の観客動員を増やす「熱いファイト」を繰り広げる必要があるのは確か。しかし、このノアパートのメイン、清宮海斗VS拳王のGHCヘビー級選手権は、記者会見での拳王の謝罪から始まりました。

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NOAHのリングでムタ対NAKAMURA?NOAHじゃないじゃん!って言ってきた。

そいつらが一番最後に試合をするんだぞ。GHCを懸けて、この歴史のある、この伝統のある、崇高なるGHCを懸けて戦ってきた先輩共に俺は本当に申し訳ないと思う。初代王者の三沢さん、秋山、小川、そして絶対王者の小橋さん。その他にも色々王者はいる。今ここで俺は…今までこのベルトを懸けて戦ってきた先輩共…本当に、すみませんでした(立ち上がって深々と頭を下げる)本当に申し訳ない。

このベルト、メインで戦わせられなかったこと、もう俺の責任だと思って、セミファイナル?1月1日、元日日本武道館、セミファイナルで俺はこのベルトを必ず奪って、これから一生このベルトはNOAHのリングで、メインで戦わせることをこの会見で誓います

団体側が「ダブルメインイベント」と穏当な表現をしていたところを「セミファイナル」として対立概念をはっきりさせ、VS清宮であるとともにVSムタ中邑戦であることもはっきりさせた拳王のこのセンスは素晴らしいし、この危機感をノアのレスラー全員が感じて欲しいところです。

 

 

サプライズ!熱戦!山あり谷あり、今のノアを見ろ!

こうして始まった日本武道館大会。前半戦はタイトルマッチもなく、多人数タッグが多かったのでわりと普通に見ていましたが、第三試合に登場したニンジャ・マックの飛び技はやはり凄かったし、ノアJr軍VSドラゲーM3Kの6人タッグもスピーディーで魅せる試合。徐々に盛り上がってきたところで第五試合、X枠で登場したのは馳浩石川県知事!会場爆発!ジャイアントスイングでさらに爆発!そしてノーザンライト・スープレックスで勝利!勝っちゃうんかい!知事が!とは思いましたが。

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結構大事になってて悪いけど面白かった。しかし「裸で闘うのは見苦しい」って...。

実際、県民からは「知事は24時間公人なのに、行動が軽すぎる」「知事が裸で戦うのは見苦しい」といった批判も出ている。このようなリスクを懸念してか、知事の個人後援会「銀河の会」幹部は、事前に「出場したら(幹部を)辞める」と告げていたという。馳氏を国会議員時代から支える女性秘書も「出たら事務所を辞める」と迫っていた。

しかし次のティモシー・サッチャーVSジャック・モリスでは渋い攻防に終止したことで一度上がったテンションがスッ・・・。と下がっていき、ジェイク・リー登場にも微妙な空気が流れましたが、その後のAMAKUSAvs宮脇純太では二人の大技の攻防に客がドカンドカン沸いた末にAMAKUSA防衛!本当に、正体はわからないけど、あのときはモヤモヤしたけど、AMAKUSAよかったね...。と私は静かに涙したのでした。よかったね...あまきゅん!

otokoman.hatenablog.com

そしてGHCタッグ選手権は杉浦&小島VS丸藤&KENTA!半分新日本ではありますが、二人共ノアでの関係性があるのでノアの試合として見れる。杉浦がKENTAに「コバヤシィ~~!」と叫びながら蹴っていったり、KENTAも負けずに蹴りの連発で倒したりとそれぞれの人間模様が垣間見えて面白かった。KENTAはまたノアでの闘いも見てみたくなりました。

セミ(ノアパートの)のYO-HEY&Kzyvs小川&Eitaも良かった。これも半分ドラゲーではありますが、入場からしてYO-HEYとKzyの歌と揃いのダンスがバッチリとはまってて期待感&チーム感ありました。

試合も動きの早い3人の中に小川が入ることで緩急がついた白熱の試合に。数々の連携を武器に攻め込むYO-HEYとKzyにペースを握らせず、EitaがYO-HEYにトラウマからのインペリアル・ウノというハードな連携をきめて勝利。技術とスピードで魅せたGHCジュニアタッグ選手権試合でした。

 

 

いよいよメイン!(ノアパートの)拳王と清宮が見ていたものとは

そしていよいよGHCヘビー級選手権試合。チャンピオン・清宮海斗VSチャレンジャー・拳王の一騎打ち。会場はなんとも言えない空気。普通のノアならメインだけどこの後にムタVS中邑が待っている、という不思議なシチュエーション。

 

しかしそこはこの二人、入場し、向かい合ったときの緊張感ですでにメインイベント感。この二人は対戦するのもありますが、ともに名勝負を作って中邑VSムタを超えないといけないという使命を負っている運命共同体でもありました。

そんなこのタイトルマッチはまさに今までの二人の歴史を積み上げた集大成でもありました。武道館の度肝を抜いた鉄柱超えで場外に飛んでいった清宮のウルトラタイガードロップ、ジャーマン、シャイニングウィザードで決めにかかる清宮、返してスリーパーホールドで締め上げる拳王、10分すぎくらいから速いテンポで互いに決めに行く、熱い攻防が繰り広げられます。

雪崩式のタイガースープレックスを仕掛ける清宮を頭突きで阻止し、エプロンへのファルコンアローを放った拳王。エプロンのへりに腰を強打して清宮の体が折れ曲がり観客騒然。すかさず追い打ちのP.F.S、清宮もムーンサルトプレスを返してのフランケンシュタイナーでカウント2。すかさずの胴締めスリーパーはなんとか清宮エスケープ。まさに一進一退。意地のぶつかりあいを技の攻防に昇華していると言っていい、引き込まれる試合を繰り広げていました。

蹴りを連打する拳王、エルボー連打で返す清宮、なおも蹴りを連打していく拳王についに炸裂した清宮のシャイニングウィザード!後ろから前から、拳王もスリーパーからのハイキックで清宮をダウンさせるも、ここで清宮の新技、タイガースープレックスの体制から拳王の体を半回転させてタイガードライバー的に落とす技を披露!ここはカウント2で返されますが、とどめのシャイニングウィザードでカウント3。清宮海斗が拳王を倒し、GHCヘビー級王座を防衛しました。

 

 

互いに力を振り絞り、死力を尽くした一戦。19分23秒に全てを詰め込んだような一戦。いや、良かった!現状の二人ができる最高の一戦を見せてくれたと思います。この試合がメインにあれば、ムタVS中邑メインの観客もノアに持ってこれる、そんな希望を見せてくれた一戦でした。

 

ただ気になった点があるとすれば清宮のフィニッシュがシャイニングウィザードだったこと。自分なりにアレンジを加えているとは言え、ここは今日披露した新技をフィニッシュに持ってきてほしかった。あれだけ拳王が「VSムタ中邑戦」を言っている中、武藤のフィニッシュをまんまフィニッシュに持ってきてしまうとどうしても観客の頭の中には武藤=ムタが浮かんでしまうはず。

今回の試合はスポーツ的に、今のノアを表現したときに完成度高い試合だったと思いましたが、清宮には武藤の技を全て今回は封印するような対立概念の表現をしてほしかった。見ていてひっかかりがあったとしたらその点でした。

そして、これはムタVS中邑戦を見た後に書いているからではありますが、あの二人の入場の一挙手一投足を注目させるようなムダのない空間の使い方、感情表現の幅がまだ拳王、清宮には備わっていない。あくまでリング上の「試合」をやりに来ている、というところが大きく違うと感じてしまいました。しかしこれはどうやったら備わるのか。今のノアの闘いで備わっていくのかはわかりませんが...。

 

そしてこの日、終わって書いた感想がこのツイートでした。

結論としては

清宮海斗と拳王、そしてノアはやりきった!

けど先があった!

ということだと思います。

武藤敬司が引退する2月21日までにどこまでノアが積み上げていけるか。その後ノアとして先に進んでいけるのか。そこに少しの光が見えた。そんな1・1日本武道館大会でした。清宮、拳王、二人共凄かった!