男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

バイバイ・グレート・ムタ!祝祭としてのラストマッチ。ありがとうムタ!白使!そしてスティング!

新日VSノアの次の日はグレート・ムタラストマッチ!

1月21日に行われた「新日本プロレスVSプロレスリング・ノア」の次の日、同じ横浜アリーナではグレート・ムタのラストマッチが行われました。

ちなみに前日には清宮海斗がオカダ・カズチカの顔面を蹴っ飛ばしてました。

きよぴ最高!エントリこちら!

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この日も前日に続いて配信で観戦。ただ仕事があったんで、それ終わってから追っかけでメインだけ見ることになりました。(他の試合もちょいちょい見てた)なんでそれまでどういう試合があったかあんまり知らないんですが、印象としては多人数タッグが多めだな、と言う感じでした(適当)まあ、ムタのラストで観客は埋まるとは思いますけど、昨日と比べたらもうちょっと本気モードっていうか、ヒリヒリした試合があってもいいんじゃないかな、とも思いましたけど。まあいいか。

 

ただ、個人的注目カードだったのが鈴木秀樹と桜庭和志のシングルマッチ。なんかUWFっぽいルール(適当)でやってたのでそれはあとから見ました。

髪型のせいかちょっとイメチェンしてた鈴木秀樹と桜庭和志の対戦。互いに打撃をやるタイプではないんでグラウンドに終始した試合に。正直ずっと見てられる、見ごたえのある試合。桜庭がポジションを重視するタイプではないとはいえ、鈴木秀樹のキャッチ・アズ・キャッチ・キャンをベースにしたスタイルと桜庭のUWF,格闘技をベースにしたスタイルは似て非なるものであり、その違いを感じる試合でもありました。

基本桜庭が攻め、鈴木秀樹が返していく展開が続き最後は三角締めを持ち上げて落としたところを締め続けられた鈴木秀樹が落とされたと島田レフェリーが判断して敗北。勝敗は付きましたが、後20分やってくれててもいい。そんな試合でした。

 

「作品」としての中邑戦、「儀式」としてのラストマッチ

そしていよいよメイン。グレート・ムタ&スティング&ダービー・アリンvs白使&丸藤正道&AKIRA。さすがにそれぞれ一人づつの入場。

まずムタ組入場場の前には既に引退してはいるものの「ムタの父親」としてタッグを組んだこともあるザ・グレート・カブキのヌンチャク&毒霧パフォーマンス付き。そしてさすがにスティング入場はアガる。現在の「オペラ座の怪人」スタイルになる前の入場テーマから今の入場テーマへのミックス、ムタとスティングが絡んでいたときは90年代、ちゃんと歴史をふまえたテーマ曲の選曲になっていたのは流石でした。

そしてムタ。ラストは「HOLD OUT」ムタバージョンで入場。マスクを脱ぐと「ByeBye」の文字が。なんというか、もうここまででほぼほぼこの試合終わってたというか、「ああ、終わりなんだな」という気分にさせてくれました。

 

そこから起こったことは、今までのグレート・ムタのリバイバルであり、スティング、ムタ、白使がファンタジー的存在としてリング上に存在した最後の空間。勝ち負けがどうこうとか、丸藤の謎のペイントとかそんなのはどうでもよく、ただただ「存在する」ことを堪能するような試合を見たように思います。

実際、試合のクオリティとして高いものだったか?と問われると疑問符が付く部分もいくつかありました。白使はロープ拝み渡りを失敗したり、ムタも股関節を痛めたらしくステップを踏むだけでもぎこちない動作。シャイニングウィザードもようやく「形になった」というような状態でした。それぞれの選手の年齢を考えたらそれでもやってるだけ凄いんですが、そういうミスも散見され、見た目以上に「ムタのラストマッチ」がギリギリの状態で行われていた、ということがわかりました。

そしてその分、と言ってはなんですが、ダービー・アリンの動きの凄さ、AKIRAのコンディションのよさにだいぶ救われた部分もありました。そしてメインとなったのはスポーツ的なプロレスの試合というよりも、今までのムタをなぞっていくようなファンタジーファイト。白使が持ち込んだ卒塔婆をムタが使って白使を追い込み、リングサイドのコードを使ってムタが白使の首を絞めて白目をむく白使、スティングもサソリ固めを見せていく。

そこにダービー・アリン、AKIRA、丸藤の動きのあるプロレスが挟まりますがメインはあくまでレジェンド同士のファンタジーファイト、レジェンドがファンタジーを見せ、ファンの記憶を呼びおこす。記憶に訴える。そんな試合だったように思います。

 

思えば1・1日本武道館でのムタVS中邑真輔は、入場から贅を凝らした演出、そして中邑の一つ一つの動きを魅せていく奮闘によって一つの「作品」となった試合でした。

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しかし、今回のラストマッチはあくまで「儀式」としての試合だったように思います。入場で卒塔婆を持ってきた白使、試合後に白使の血を使って卒塔婆に「完」と書いたムタ。そこまでの全てが、観客、ファンが「グレート・ムタラストマッチ」を受け入れるための儀式。このこってりとしたムタワールドを見せることでファンはムタが去っていくことをゆっくりと受け入れる。完成度としては綻びがあるものだったとしても、観客にムタが去ることをわからせた。本当に最後まで見て思ったのは

ムタ、スティング、ありがとう、本当にありがとう...。

 

というただただ感謝の感情でした。

今までいろんなムタの試合を見てきました。アメリカ成り上がるためのペイントレスラーとしてのムタ、新日本プロレスでのヒール色が強まったムタ、全日本、W-1とコスチューム、マスクはアメコミ色が強くなり、魔界の住人的なレスラーに。そしてノアでの幕引きへ。そんな歴史を全てひっくるめた幕引きがこういう贅沢な形で行われたのは本当に幸せなことだったと思います。ありがとうノア...。

そしていよいよあとは2・21東京ドームでの武藤敬司引退興行。色々楽しみなカードはありますが、メインイベントは武藤敬司VS内藤哲也に決定してます。まあ、ここはもう武藤のラストを見届けるのみ。

ただただ楽しみというか、寂しいというか、これで一つの時代が終わってしまうような、日本のプロレスが一つの区切りを迎えてしまうような危機感も感じますが、でも一ファンとしてはただ見るしかない。あ~、正直その日を迎えてほしくない気持ちもありますが、やるからには大きな花火を打ち上げて終わってほしい。とにかくムタのラストはちゃんと見た観客たち、プロレスファンを納得させるラストマッチでした。