男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

5・7 アメトーーク!を見て考えた「プロレスを世間に届ける」ということ

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5月7日に放送された「アメトーーク!」が「プロレス大好き芸人」だったので見てみました。おそらくですが、これの前のプロレス特集は「WWE芸人Ⅱ」 2018年8月23日放送。今からおよそ2年前になります。

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そして、今回の前の「プロレス大好き芸人」はさらに前。2017年11月5日。オードリー若林、プチ鹿島らが出演していたのが印象的な回でした。 

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 そして、今回の「プロレス大好き芸人」の芸人ラインナップはこちら。着用Tシャツとともに紹介していくと

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  • ケンドーコバヤシ:YOH(新日本プロレス)
  • 博多大吉:小川良成(プロレスリングNOAH)
  • 川島明:内藤哲也(新日本プロレス)
  • 豊本明長:小仲=ペールワン(プロレス実験団GUYZ/暗黒プロレス組織666
  • 浅越ゴエ:矢野通(新日本プロレス)
  • 宮戸洋行:飯伏幸太(新日本プロレス)

そしてゲストにはタカアンドトシ。トシは「有吉いいeeee」で頻繁に有吉と90年代プロレストークに興じてるちょっと前プロレスファン。なんというか鉄板で固められたラインナップ。Tシャツの新日本度の高さがちょい気になってましたが、大吉先生の小川良成Tシャツ、東京03豊本の小仲=ペールワンTシャツがやはり気になりました。

そして番組が始まる前、いきなりのアレ。

期待高まる中、芸人たちが入場。ベテラン揃いの面々が「第7世代が誰もいない」というくだりからド頭でケンコバが「このど真ん中上がってこい」と長州現場監督モノマネをブチかますところはさすが。

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ただ、この後出てきたテロップでなんとなくこの番組の方向性が見えたというか、現実を突きつけられた感がありました。それがこれ。

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ケンコバ自身は「新日本は」とは言ってなかったと思いますが、テロップ処理でライオンマークと「新日本プロレス」と付けてくる!新日だけはガチ!このテロップを見た瞬間に「今日は新日本プロレス特集ですよ」という製作者側の声が聞こえてきた気がしました。自分もある意味ここで何かを諦められたような気がしました。結果9割くらい新日本プロレス特集だったわけで。このことに関しても後ほど書きます。

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ただ、一応プロレス特集なのでいろんな団体のロゴが出たりします。この中で取り上げられたの新日本とノアだけですが。新日本とノアだけですが...。

 

そしてその後新日がマジソンでやったとか東京ドーム2日間やったとかの紹介が続き、それぞれの芸人に好きなレスラーとかを聴いていく流れ。そしてやっぱり我らが豊本明長。サムライTV「激闘バトル☆メン」水曜キャスター。早々にミス・モンゴルとの結婚をイジられる流れに。

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他番組でもわりとコスられた流れではありますが、地上波でミス・モンゴル出てくるといつも笑ってしまうのも確か。さらに結婚した理由を突っ込まれると

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「ずっと見てました。セコンド業務献身的にやってるなぁ、とか」

と、いきなり格の違いを見せつけるコメント。今度ガンプロ行ったら試合後にセコンドついてるミス・モンゴルをじっと見てしまいそう。

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そしてこれからは新日本プロレス紹介タイム。1・5のオカダVS内藤(KENTA乱入前まで)とか、オスプレイVSヒロムとか石井VS鷹木とか。

 

基本的に「名勝負」を流して新日本プロレスの凄さをアピールしていく流れ。タカトシも「昔のプロレスファン」として見ますが、オスプレイのカナディアンデストロイヤーとかその場飛びスパニッシュフライとかに「どっちがどっちにやってるんだよ!」の声。その疑問は非常にわかる。ライガーのロメロスペシャルじゃないですが、浜田に「協力要るやろ」と突っ込まれてもおかしくないというか。凄いけど。

 

そしてその中でもしっかりと「内藤のデ・ハ・ポン締めは途中で正面が変わってしまう」というネタをブチこんでくるケンコバはやっぱり信頼できる。

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どうしても「ポン」で後ろ向いちゃうケンコバ

 

とはいえやはりテレ朝。ライガー引退特集では、さすがに歴史の厚さを感じさせてくれました。

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おなじみの初期ダサいマスク姿から

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上半身ハダカの「対ヘビー級バージョン」!VS橋本真也!

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そして鈴木みのる戦、最後は引退試合と、きっちりと振り返ってくれました。こういうときに映像持ってるのは強い。

そしてその後、モンスターモーニングとか石井の日記とかがいまいちハネずに終わる中、しっかり海野レフェリーネタをブチこんでくるケンコバ。コーナータイトルもしっかり作成してくる気合の入れよう。左上のブラー掛かってる海野レフェリーが面白すぎる。正直番組最初のオカダVS内藤から海野レフェリーのうるささに目が行って思わず笑ってしまってました。

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基本的には新日本プロレス紹介番組だった今回の「プロレス大好き芸人」ですが、我らが大吉先生ターンでは「火の鳥を食べた男」として小川良成を紹介。現在53歳ながら、いつまでも見た目が変わらない小川良成にフィーチャー。

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そしてさらにライガー、佐々木健介との比較。なぜライガーと比べるのか。

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と、異常なほどの「変わらなさ」をアピールしてからしっかりと試合も紹介。テクニシャンっぷりを短い尺ながら紹介していました。HAYATAとのGHC Jr選手権の様子。足攻め地獄からの丸め込み。小川の真骨頂を見せてくれました。

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ただ、小川のファイトスタイルからして、短い時間ではまだ魅力が伝わりきらないのも確か。プロレスリング・ノアのYOUTUBEで小川の試合がいくつかアップされているのでこちらを見てもらえると小川良成の魅力が伝わると思います。ここに貼っておくと

www.youtube.com

博多スターレーン最終興行での記念試合として行われた丸藤とのシングルマッチ。互いに腕の取り合い、基本的な攻防に終止したシングルマッチ。

www.youtube.com

仕事師同士の一騎打ち。互いにシンプルな技で沸かせる、駆け引きに溢れるシングルマッチ。魅せてくれます。

www.youtube.com

そして小川良成出世試合としてハッキリ覚えてるのがこの試合。まだ全日本プロレスの1998年。マッチメイクが馬場から三沢に移りつつあり、軽量級の小川がスポットライトを浴びるきっかけとなった試合です。

 

ちなみに番組では小川のあとにザック・セイバーJrのVTRが流れましたが、出来ればここで「ザック・セイバーJrは新日の前にはノアに上がっていて小川良成に教わっていた」ということも触れてほしかった。こじつけっぽいハイフライフローと山本小鉄のフロッグスプラッシュの繋がりとかよりはプロレスの繋がりを感じさせるエピソードだと思うんですが。

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そしていよいよ我らが豊本明長の出番。

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インディー超個性派レスラーたち、と銘打ち3人のシルエットが。最初はもちろんTシャツ着てた小仲=ペールワン。ちなみに映像はニコプロ提供。

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そして次は暗黒プロレス組織666から怨霊。ちなみにエクトプラズムを「パウダー」って言っちゃってますが。言っちゃっていいの?ファンもなんか忖度してエクトプラズムって言ってたのに。あっさり「パウダー」って。

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そして最後に紹介されたのは九州プロレスのがばいじいちゃん。その後のトークでがばいじいちゃん(の中の人)がプエルトリコ時代、ミス・モンゴルに教えられていたという無駄な知識も豊本が披露。さすがです。なんていうかネタの深度が違う。

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と、やりきった豊本インディーレスラーパート終了。ここと小川良成でわりとお腹いっぱいになりました。しかし、このあとおまけにトシのリクエストで映ったロード・ウォリアーズの試合の相手が石川孝史&ターザン後藤組。不意打ちのターザン後藤!

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そしてさらにおまけ。誰かが言いだした棚橋のハイフライフローと山本小鉄のフロッグスプラッシュが似てる説、みたいなやつで映った星野勘太郎。

まずは合体攻撃で目測を誤りロープに頭をぶつける星野勘太郎

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そして、フィニッシュの山本小鉄のフロッグスプラッシュが決まったと同時になせか飛び上がる星野勘太郎(ちなみにフロッグスプラッシュを食らってるのは鶴見五郎!

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飛びすぎ!

 

と、このようにおまけをいくつか付けてくれながら、アメトーーク!「プロレス大好き芸人」は終了しました。

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今回の「プロレス大好き芸人」を見て思ったのは、やっぱりまだ「プロレス」自体、アメトーーク!が本当に取り上げたい!と思うほどの社会的ブームじゃないんだろうな、ということでした。

新日本プロレスを放送してるテレビ朝日の「アメトーーク!」で、新日本プロレス中心の作りになるのはまあ当然だとは思います。しかし今回は今までのプロレス特集にも増して新日本プロレス中心の作り。濃いめのプロレスファンからすると、全日本、DDT、大日本、ドラゲーそして女子も全く映らないなんて偏ってるなとも思うんですが、週刊プロレスも基本的に新日の広告が大きく占めている「新日一強」の今を反映してると言えばしてるのかもしれません。

ここで「新日が凄いんだから当然」とか、「テレ朝だから新日ベッタリなんだろ」とかつまらないことを言うつもりはなく、要は新日本プロレスとテレビ朝日の関係性を崩してまで取り上げたい、というほどプロレス全体の力がない、というのが現実。社会的に新日本以外の選手がブームになっていてどうしても取り上げたい!となれば取り上げるでしょうし、今回のように「いい試合」を並べる構成になったのも、新日本以外に際立って取り上げたい選手がいなかったのと、また新日本プロレスの中にも際立った選手がいない、だからこそ並列にいろんな選手を紹介する、という作りになったんじゃないかと思います。

 ちなみにこの番組内の試合は「新日本プロレスワールド」で無料配信中!

そういうこと!

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 そして気になったのは、これでプロレスの魅力が通じたのかな?ということ。正直、あの場でプロレスファンじゃない「世間代表」として存在する蛍原(できれば誰か他に「世間代表」のゲストが欲しかったところですが)が、あまり全体的に食いついてないように見えました。

私が気になったのは、今回の「アメトーーク!」のように、今の新日本の「いい試合」を並べていくと、どうしても似たような攻防が並んでしまうように見えたこと。体格的にもヘビー、ジュニアともに割と似てるし、動きのテンポもそんなに変わらない。新日本勢がずっと流れた後の武藤敬司、ロード・ウォリアーズがインパクト強く見えたのもその体格の問答無用さ、テンポの違いなどもあると思います。例えば火野裕士のチョップ受けとか、暴走大巨人のラリアット連発とか、ひと目で強そうな選手が混じってたらまた見え方も変わってきたし、プロレスの多様さも表現出来たと思うんですが。ホトちゃんに刺さるように競馬大好きターザン山本を紹介するとか。今回あまり「世の中に刺さる」という視点が弱かったように思います。

これ以前からですが、試合以外のバラエティ番組でプロレスを紹介するとき、なんかあまり響かずに終わることが多いな、と思ってます。スタジオで試合した飯伏、葛西純らは心をつかんだりしましたが、VTRで紹介すると「ああ・・・。」みたいな感じになりがち。試合をフルで見せるとかより体格の凄さ、技の衝撃を一発見せるとかのほうが魅力が伝わるのか。TV番組でのプロレスの伝え方って難しい、と思わせた今回の「アメトーーク!」でした。 

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