男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

映画「狂猿」見てきました。「狂猿」はデスマッチのカリスマ、葛西純のアイドル映画だった!

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葛西純の映画「狂猿」見てきました!

先日、シネマート新宿で葛西純を扱ったドキュメンタリー「狂猿」を見てきました。これを書いている7月13日時点ではかなりの劇場で公開が終了していますが、15日まで公開している劇場もいくつかあり、また8月に公開する劇場も少しながらあるのでまだ映画館で見ることは可能です。詳細は映画のHP「THEATER」ページを参照してください。

kyoen-movie.com

この「狂猿」は、「デスマッチのカリスマ」葛西純選手に密着したドキュメンタリー映画。ただ、奇しくもちょうどコロナ禍の中の撮影だったのと、葛西がケガの治療のために長期欠場中だったため、序盤はなかなかローテンションなスタートとなります。

そしてそんな中、レスラー達のインタビューによって葛西の凄さが語られていきます。佐々木貴、本間朋晃、藤田ミノル、伊東竜二、ダニー・ハボック(!)、竹田誠志・・・。

 

ちなみに、葛西純に憧れ、デスマッチのレジェンドとして活躍したダニー・ハボックは2020年6月にこの世を去りました。この映画の最後にもダニー・ハボックに捧げる、というメッセージが記されています。

ch.nicovideo.jp

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そして、映画は葛西の過去回想、さすがに名場面が連発。後楽園でのバルコニーダイブカミソリ十字架ボードデスマッチ、そしてなにより2009年には伊東竜二とのシングルマッチであの

東京スポーツのプロレス大賞、ベストバウト賞

を獲得するなど、あくまで「デスマッチ」にこだわって「カリスマ」と呼ばれるようになった葛西純の歴史が語られていきます。

 

自分も2019年、VS藤田ミノル戦を観戦してました。凄く、かつ心に沁みるデスマッチを見せてもらいました。 ただ過激なだけじゃなく、想いが伝わるデスマッチ、とでも言いましょうか。人間が浮かび上がってくるところが葛西純のデスマッチなんだろうな、と感じました。

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ちなみに葛西純、2018年にはフジテレビの「アウトデラックス」に登場。スタジオ内にもかかわらず、ラダーからのボディプレスでテーブルクラッシュをカマすなど、お茶の間にデスマッチのかけらをお届けしていました。

デスマッチのままメジャーになってやろうという野心。これこそデスマッチのカリスマたるゆえんなのかもしれません。キュート! 

otokoman.hatenablog.com

そして映画では葛西純の復帰戦、海外ツアー、オオバコのイベントも予定されていましたがもちろんコロナ禍で中止。 なんとか新木場で復帰戦を行いますが、2020年、なかなかイベントの開催もままならない時期が続きます。そのなかでも団体のため、自らの生活のため、そしてファンのためにあがく葛西純。

そして少しずつイベントも再開し、試合を重ねてビッグイベント、後楽園ホールでのタイトルマッチ、杉浦透戦に挑んでいく。この映画は、ケガ、コロナで翼を失いかけた「カリスマ」葛西純がデスマッチのおかげで立ち直り、再び飛び立とうとする。

 

デスマッチで感動を与え、そして救われる。葛西純にとって、あくまで普通の「プロレス」ではなくて、「デスマッチ」じゃなくちゃダメなんだということ。みんなが知っている葛西純がそこには 描かれていました。

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狂猿は 「血まみれのアイドル映画」だった

この映画を見た後の感想としては

「これは葛西純を描いたアイドル映画だ」

と思いました。最も印象に残ったのはやっぱり試合のシーン。

いろんなアングルで、時にスローを織り交ぜながら葛西が自ら胸を切り裂いて血しぶきが飛び散るシーン、ガラスに突っ込んで破片が飛び散るシーン、対戦相手の額をカミソリで切り裂くシーン。互いの口に串を貫通させるシーン・・・。やっぱり劇場で、大画面で見ると迫力が凄い。試合開始直後に蛍光灯でブン殴り合うシーン使いすぎという気もしましたが、それでも絵力が凄い。思わず引き込まれました。

そして、思わずう!!ってなったのは、竹田誠志が試合中に怪我をして、えぐれた肉がリング上に落ちるシーン。ちょっと引くくらいの映像でしたが、やりすぎるとここまでいくのがデスマッチ。その手前ギリギリでせめぎあう難しさ。ほんとうになんというか、下世話ですがめったに見れない映像ではありました。

 

ちなみに竹田誠志は以前にも新木場のGCW興行で包丁ボードで背中を切る大怪我を負っています。しかしそれでも戻ってきてデスマッチをやる。葛西純だけではなく、竹田誠志もまたデスマッチに魅入られたレスラーの1人。個人的には怪我した後の竹田誠志ももうちょっと追ってほしかったなぁ、とも思います。 

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そして、オフで家族と過ごす葛西のほのぼのとした風景だったり、車の中で監督と気軽に喋る姿だったりとほっこりする光景も描かれています。個人的にはもうちょっとコロナ禍の苦しみ、怪我との闘いに踏み込んでほしかったとは思いますが、あくまで葛西純のイメージを裏切らない描写にとどめています。すでに葛西ファンの人達がさらに好きになる。初めて見る人にとっては、「こんな凄いことしてる人がいるんだ」という入り口になるような映画。そんな部分も含めて

 狂猿は 「血まみれのアイドル映画」

だった、というのがこの映画を見た私の感想でした。

ちなみに自伝はこちらから。映像より、より詳細かつ濃厚な情報が詰まっってます。

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まとめ

と、感想を書いてきましたが、この映画を見るちょっと前にラウェイのドキュメンタリー映画「迷子になった拳」を見て、ゴリゴリのドキュメンタリーというか、登場人物の毒、苦悩、感情の爆発に「あてられる」体験をしていました。 

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 なので、この「狂猿」もそのような濃厚さを期待して見に行ったんですが、予想とは違って俺たちの葛西純を楽しむ。見たら葛西純を好きになるまさにアイドル映画でした。

プヲタ的には試合シーンの迫力だけでも見る価値はある。

温かい、陽がさす部屋の中。D.I.Yでカミソリボードを自作する姿も見れる。

血まみれ&ハートフル。不思議な後味の映画でした。できるだけ劇場で見ることをオススメします!

 

待望のDVD&サブスク公開!伊東竜二との対談も

ちなみにこの狂猿、Amazonプライムでも公開中です。こちらのリンクからどうぞ。できるだけ大画面で見て頂きたい。止められるので、衝撃シーンをじっくりと堪能できると思います。怖いけど。

狂猿

狂猿

  • 葛西純
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そして、このサブスク公開に伴って葛西純と伊東竜二の対談も一緒に公開されていました。今は団体を別れた二人ですが、根っこは同じところにあるデスマッチファイター。こちらもセットで必見です。

そしてDVDも。今後出演者が犯罪起こしたり、サブスクの倫理規定が変わったときのためにやはりソフトで持っておきたいところはありますね。

というわけで以上です。