男マンの日記

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YOUTUBE、驚異の65万回視聴!客寄せパンダの咆哮と号泣。北村克哉VSボビー・オロゴン!

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驚異の65万回視聴!RIZIN.32で最も見られた試合は意外にもこれ!

先日終了したRIZIN.32、全試合がYOUTUBEに公開されました。ちなみにRIZIN.32は速報してましたので全試合観戦しました。山本美憂VSRENAの衝撃的結末、心を通じ合わせた「技術を駆使した殴り合い」(談:石渡慎太郎)に痺れまくった砂辺光久VS前田吉朗と、地方大会ながらなんだかんだで満足度の高い興行でした。

で、そんな中で現在最も視聴回数を集めていたのがボビー・オロゴンVS北村克哉の67万回視聴(2021・11・27現在)、他の動画の視聴回数はこんな感じになってます、ドン!

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メインイベントのRENAvs山本美憂は47万回視聴、皇治の「負けたら引退」宣言で注目を浴びたvs曽根寿麻戦は39万回視聴。そして個人的ベストバウト、砂辺光久vs前田吉朗は残念なことに8万回再生。パンクラスを見てきた人にとっては感情が溢れ出すような試合だったのに・・・。なかなか世間には伝わらないのか。とは思いますが。なにはともあれ、3分3ラウンドという変則ルール、ボビー・オロゴンと北村克哉という互いに総合格闘家じゃない選手による試合。正直MMAとしてのレベルは最も低かったかもしれない試合、いわゆる「客寄せパンダ」として呼ばれた二人による試合だったかもしれませんが、その役割を見事に果たしたと言っていいでしょう。

そんな67万回再生の北村克哉VSボビー・オロゴンはこちらです!必見!

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有名芸能人(だった?)のボビー・オロゴン、元新日本プロレスで現ボディビルダーの北村克哉。この二人集めて試合させたからみんな見るんでしょ?と思う人は多いかもしれませんが、私はこの試合は面白かったし、二人の必死さ、感情がぶつかりあった好勝負だと思っています。

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北村克哉とボビー・オロゴン、紆余曲折の果ての邂逅と抱擁

DVの禊に総合格闘技は正しいか?ボビー・オロゴンの事情

そもそも、ボビー・オロゴンがなぜこの試合をすることになったかというと、2020年に妻への暴行罪で逮捕され、長年のDV被害を受けていた、ということがニュースになったボビー。結局在宅起訴されて容疑を認め、罰金10万円の判決を払うことになりますが今年9月にYOUTUBEから活動再開。その復帰舞台としてRIZIN.32を選びました。本人は「禊」と表現しましたが、そもそもボビー・オロゴンは定期的に格闘技の試合をしていた時期がありました。

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当時、モンスター路線に舵を切り、地上波でビッグイベントをバンバン放送していたK-1、ボビー・オロゴンは2004年の大晦日にシリル・アビディ戦で総合格闘技デビューをします。当時から信仰があったGRABAKAの菊田早苗のもとで練習し、一年に一回ペースで試合をしていました。2005年には曙戦、2006年にはチェ・ホンマン戦、2007年にはボブ・サップ戦。戦績は2勝2敗でしたが、格闘技経験のない芸能人が一線級の選手たちと闘ったことを考えると驚異的な成績、と言えるでしょう。

 

その後格闘技から離れたボビーですが、今回の家庭トラブル、(自主的)謹慎期間を経て再び格闘技のリングに戻ってきたわけです。これにはRIZINの台所事情、コロナ禍でイベントの収容人数数を減らさざるを得なくなり、大会数を増やさざるを得なくなったために選手が足りない。そして沖縄大会の目玉となるカードが必要だった、という事情もあるでしょう。まあボビーのやったことは罰金刑だったとはいえしっかり罪ですし、格闘技で闘ったことで償えるかというとまた違う問題だとは思います。

でも人間、それでも仕事して生きていかないといけない。芸能の仕事に復帰していく足がかりとしてこのリングを選んだ、打算的なところはあると思いますがそれも人生。そういう打算はあるにせよ、練習して減量してリングに上がるだけで大変なことなわけで、困難に立ち向かっているのは確か。禊とかはともかく、ダメだったら試合に出るわけで、それから批判すればいい。ともかくボビー・オロゴンはリングに戻ってました。

 

瞑想する筋肉獣、北村克哉の事情

一方、ボビーの相手に抜擢された北村克哉。「元新日本プロレス」、「ヤングライオン杯優勝」については実況アナが何度か触れていましたが、そもそもの北村のバックボーンはレスリング。

1985年生まれ、現在35歳。高校・大学とレスリングで活躍。卒業後はK-1の運営母体であるFEGに就職してレスリングを続け、グレコローマンで2008年~2010年全日本レスリング選手権96Kg級3連覇をするなど輝かしい成績を残しますが、2011年の全日本レスリング選手権は優勝するものの、ドーピングで順位剥奪&2年間の資格停止。その後はアマチュアレスリング引退、パーソナルトレーナーをやりながら格闘技大会「巌流島」に出場するなどしていよいよ2016年に新日本プロレス入団を発表します。

そのレスリングでの実績、体格から期待される声も多くありました。30歳での入団ということもあり即戦力を期待されますが、1年以上の練習生期間を経て2017年にデビュー。

するといきなり同年のワールドタッグリーグにデビッド・フィンレーと組んで異例の大抜擢で出場。また、同年行われた若手選手同士のリーグ戦、ヤングライオン杯で優勝するなど活躍を期待されました。

当時の北村はそのレスリング歴と肉体を生かしたパワーファイター。ビル・ゴールドバーグ、ブロック・レスナーを連想させるような。期待感あふれるレスラーだったのを覚えています。

しかし、2018年の3月、試合中に脳震盪を起こして欠場。そのまま復帰することなく2019年2月に退団発表。惜しまれつつリングを去りました。

 

そして引退後はYOUTUBERとしてボディビルに取り組みますが、なかなか順風満帆とはいきませんでした。

2019年4月、最初に立ち上げたYOUTUBEチャンネル「バルクアカデミー」はたちまち人気チャンネルとなりますが、初のボディビル大会での結果は不振に終わり、2020年2月には「バルクアカデミー」のチャンネル消滅&そこから独立。現在は「バルクアカデミー2」として再始動していますが、しばらく更新が途絶えている状態、また、ボディビルについても師と仰ぐShinさんから距離をとっている状態となっています。

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そしてAbemaTVでの安保瑠輝也企画に挑んで打撃のみルールでKOされるなど、

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ドーピングでレスリングを引退、新日本プロレスに入団するも退団、そしてYOUTUBEもなかなか順調にいかない、そんな中でのRIZIN参戦。ままならぬ状況の中、一発逆転を狙う北村克哉。

ボビーも北村もそれぞれの事情を抱えながら、格闘家ではない二人のRIZIN参戦。堀口恭司や朝倉兄弟のような格闘家としてのストイックさ、サクセスストーリーとは程遠い、もう中年の格闘家でもない二人による試合。それがRIZIN.32で行われた北村克哉VSボビー・オロゴンの試合でした。

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試合の流れを決めたブレイク、パウンドに賭けた北村克哉沈む

改めて、RIZIN.32、北村克哉VSボビー・オロゴンはこちらです!必見!

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第10試合として行われた北村克哉VSボビー・オロゴン。長めの煽りVで「YOUはどうしてRIZINに?」と聞かれるボビー。呼んだのに...。ちなみにこの試合だけ3分3ラウンドです。

北村はアマレスシューズを履いての入場。シューズを履くと蹴りが使えないので不利にはなりますが、タックルにいくときのグリップが効くのでそちらに振り切ってきた印象です。新日本プロレス時代の入場ルーティン、全力ジャンプからゴールドバーグバリのロープ揺らし、そしてカメラに向かってのポージング。期待感あふれる入場。すでにちょっと見てよかった感もありました。

一方のボビーはゆたぽんと子どもたちを連れての入場。自ら手錠をかけての入場で自らの逮捕を自虐的に笑いにしていくスタイル。なんか見ててもやっとはしましたが、その肉体は錆びついている気配はなく、期待感が膨らみます。

入場時の北村&ボビー。咆哮する北村、「モス!」のボビー。

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しかし向かい合うだけで絵になる二人。アメコミの表紙みたいな1シーン!

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そしてゴング。互いにサークリングから満を持してタックルで倒す北村!さすが!しかしボビーもきっちり対処していきます。ちなみに北村のセコンドにはAACCの阿部裕幸、ボビーのセコンドには菊田早苗。なんとかボビーも立ち上がりますがさらにタックルで倒す北村。しかし強いパウンドはボビーが防ぐ。パウンドを巡る攻防のままラウンド終了。なかなか3分は短い。北村疲れたか。しかし持ち味を発揮しています。

上から攻める北村、しのぐボビー。1Rはこの展開で終わっていきました

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2Rに入ると前に出ていくボビー、ローキックを出していくも再び北村キャッチで倒す!ロープ際ではありますが下からフロントネックロック狙いのボビー。しかしかけながら場外に逃れていくボビー、ここで体が場外にでてしまったのでブレイク。この判断がこの後の展開を左右してしまいます。

これはこのままドント・ムーブでいいのでは?ボビーから外に出たっぽかったし

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普通はそのままの体制でリングの中に入れてリスタートじゃないかと思うんですが。ボビーが自ら外に出ていったようにも見えたので、本来警告される事案のような気もします。う~ん。ここはちょっと納得いかなかった。

 

再びスタンドになり、互いにパンチ打ち合いへ、スタンドでは一日の長があるボビー、パンチが当たり北村が鼻から出血し、テイクダウンを仕掛けるも亀になってしまいます。バックを取ったボビーが首を狙いつつ顔面を殴る。ボビーフェースロックからスリーパーへ。ボビーが締め上げて北村ギブアップ!ボビー・オロゴン勝利!

最後は北村タップ!出血も多く、スタミナも切れかけていたように見えました。

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北村のタックルで倒され、終始下になっていたボビー、パンチ連打からパウンド、RNCと繋いで勝利。しっかりと技術を見せて勝利しました。北村も現状精一杯のMMAを見せてくれました!しかし北村、パウンド一発でも強く打てれば!こうなったら勝つまで見たい!互いに動きもあり、持ち味も出せた面白い試合でした。

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終戦、そしてこれから。

試合後は両者長い間抱き合い、涙を流した二人。何かしら通じるものがあったのでしょうか。これから北村が継続的に格闘技をやっていくならまた見たい。1年位練習したら結構やれるんじゃないかと思うんですが。一方のボビーはこちらはあまり継続していく意欲はなさそうでしたが、しかし勝ったので大晦日呼ばれそう。

互いに腕を組み、抱き合う二人。なんというか沁みる、いいシーンでした。

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二人共求道者ではなく、手掴みでカネとロマンを掴みに来た中年の筋肉おじさん。そんな二人の必死の殴り合いは見ていて引き込まれる闘いでした。とりあえず、二人の人生に幸あれ!と思わせてくれた試合でした。面白かった!