男マンの日記

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8・13ガンバレ☆プロレス後楽園ホール大会。戦慄のメイン、今成夢人VS入江茂弘

戦慄のメインイベント。今成夢人VS入江茂弘。

そこには異様な光景が広がってました。2022年8月13日、ガンバレ☆プロレス後楽園ホール大会メインイベント。今成夢人VS入江茂弘のスピリット・オブ・ガンバレ選手権試合。

 

入江が今成にエルボーを叩き込む。倒れる今成。起き上がろうとする今成、上体を起こしたところでさらに強烈なエルボーを叩き込む入江。力なく倒れる今成。ダウンカウントを取ろうとする木曽レフェリー。それを止める入江、マットに這いつくばり、うずくまり、起き上がろうとする今成。バン!バン!バン!とリングを叩き、今成を鼓舞するセコンド陣。力を込めて手を叩く観客。

この状況が10分くらい続いたか、いつもは力強く、愛嬌あふれるファイトでファンの心を掴んでる入江が、今は鬼の形相で、どこか冷酷さをたたえながらただただ今成にエルボーを叩き込み続け、今成がそのたびに倒れ、うずくまり、力なく立ち上がり続ける。

 

まさに「公開処刑」という言葉がふさわしい一方的なファイトが延々と続きました。

 

見ている観客もちょっと「これはこのまま応援してていいものだろうか」と思うような不穏さが試合に漂いはじめ、終わりなき入江の一方的な打撃、会場も静かな声にならないざわめきに満ちてくる、それでも今成は倒れ、マットを、入江を掴みながらもなんとか体をずりあげ、立ち上がろうとする。

その希望を、蜘蛛の糸を断ち切らんとするような入江の重いエルボー。「グシャ」と「バキッ」の間くらいの打撃音を何度も何度も何度も響かせる。

 

コーナーに詰められてのエルボーを喰らい、崩れ落ち、雄叫びを上げる今成

よろよろと立ち上がったところに入江渾身のパンピングボンバーを叩き込む

これをカウント2で返した今成が入江の首に絡みつきスリーパーホールド

背中から叩きつけられても、叩きつけられても、さらにバックドロップで叩きつけられても何度も絡みつき、執念で締め上げ続ける今成。

ただただ締める。これしかない、という覚悟があるような。それでも目がトんでいるような。狂気のスリーパーホールド。永遠に続くかと思うようなその時間。そして最後にグラウンド状態で胴締めのように、全力で締め上げたところでついに、ついに入江が苦悶の表情でタップ。

今成夢人が勝利!かろうじてスピリット・オブ・ガンバレ王者の防衛を果たしました。

その後、スタスタと歩いてリングを去った入江茂弘。そこには怒気を含んでいたように見えました。正直試合の9割9分を制し、力の差を見せつけるようなファイトを闘っていた入江茂弘がグロッキー状態の今成のスリーパーで敗北。しかしリングを去った入江には「まだまだ力が残っている」という悔しさと理不尽さへの怒りを同時に感じさせる、それほど怒りのオーラをまとっていました。

 

今成はしばらくリングに寝転がったまま。なんとか起き上がり勝ち名乗りをあげますが、コーナーにもたれかかったところにハートリー・ジャクソンが乱入。挑戦を表明してそれを今成が受諾。しかしダメージから締めの言葉を発することは出来ず。

結局、大家健が締めてこの興行は終了しました。

 

興行の後、救急搬送された今成夢人、8・20DDT大田区、8・21ガンプロ高島平の欠場が発表されています。それほどのダメージを受けてなお闘ったこのメインイベント。それだけになんとも言えない空気が流れていた。いけないものを見たような背徳感、試合終了してなお張り詰めた空気、今までにない読後感というか、ずしっと肩に重さが残ったような気がします。

改めて振り返って思うのは、防衛したのは今成夢人、強さを印象付けたのは入江茂弘。そんな印象を受けました。しかし全てを超えて、リングの中で勝ち名乗りを受けた今成夢人。勝つまで頑張る。頑張り続けた今成夢人の腰に巻かれたのがスピリット・オブ・ガンバレのベルト。情念とか、執念とか、カラッと明るい「ガンバレ」を超えるなにか地から湧き出る「ガンバレ」を感じました。痺れました。

 

メイン以外も色々と良かったです。

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次のガンプロ後楽園大会は12月。ガンプロユニバース、盛り上がっていきましょう!