というわけで次のG1公式戦まであと2日、こないだのテキサス大会のG1クライマックス公式戦を振り返ろうと思います。ちなみにAブロックの選手情報、カード情報などはこちらのエントリから。試合結果、雑感もつけくわえていっています。備忘録的に活用して頂けると幸いです。
第5試合 Aブロック公式戦
◯ランス・アーチャー【1勝0敗=2点】
(18分16秒 EBDクロー→体固め)
✕ウィル・オスプレイ【0勝1敗=0点】
今年のG1クライマックス公式戦、本当に初戦となったのはアーチャーvsオスプレイ。とりあえずアーチャーの大胆なイメチェンに度肝抜かれました。赤ロングモヒカン。これはカッコいい!
いよいよ『G1 CLIMAX 29』がダラスで開幕!
— njpwworld (@njpwworld) July 7, 2019
第5試合Aブロック公式戦!@LanceHoyt VS @WillOspreay!ランスが地元で大暴れ!IWGPジュニアヘビー級王者のオスプレイを力で圧倒!NJCのリベンジを狙う!
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前回の対戦、NJCではノリにノってたオスプレイが勝利したこの対戦ですが、今回その雪辱を期すアーチャーがパワーで押しに押しまくる。タッグパートナーのスミスJrが新日本プロレス退団、シングルプレイヤーとしての真価が問われるこのG1クライマックス。さすがに気合が入ってます。
いきなりヤングライオンを蹴散らしての奇襲から試合に入るアーチャー、しかしそこでスパニッシュフライからトルニージョと空中殺法で反撃するオスプレイ。いきなり観客ドカン!掴みはOK!
攻めの姿勢を貫くオスプレイ、場外に落としたアーチャーにサスケスペシャル。しかしそれを避けたアーチャーが場外の机にいきなりのチョークスラム!開始5分でのテーブルクラッシュにさらに観客ドカン!体格差もあり、オスプレイがほんとうに軽々とテーブルに叩きつけられるさまが凄い!
スピードと手数で攻めていくオスプレイ、それにガツンとキツい一発を叩き込むアーチャー、という構図で試合は進んでいきますが、ここで勝機を掴んでいったのがオスプレイ。打撃の応酬からカウンターのレッグラリアット、カウンターの延髄斬り、619からのスワンダイブ式エルボーと畳み掛け、ストームブレイカーの体勢に!
しかしこれは防いだアーチャー。タックルでふっ飛ばし、コーナーへのパワーボムからの生調パワーボムに。場外に逃れたオスプレイをエプロンへのパワーボム!とにかく力押しでいくアーチャー。しかし、花道へのパワーボムは返され、ここから一気にオスプレイが畳み掛けます。スワンダイブのミサイルキック、シューティングスタープレスからのロビンソンスペシャル、一度防がれてからのオスカッター!カウント2!そしてストームブレイカーで持ち上げようとするオスプレイ、しかしこれは難しいと見るや川田ばりのステップキック、そしてバックエルボー、しかしランスもキン肉バスターで叩きつけてからのブラックアウト!カウント2!
オスプレイが3,4つ手数を出してアーチャーが一発でバコーン、という展開が続きますが、オスプレイが試合のテンポを落とさないのでテンション高いまま試合は進みます。しかしここで大きな転機が。
倒れたオスプレイをアイアンクロー(EBDクロー)でギリギリと締め上げるアーチャー!エリック一族の地元であるテキサスで繰り出したアイアンクロー。手も大きくパワフルなアーチャーの怖さが際立つこの技。オスプレイはもがき苦しみ、これで一気に試合のペースを握ったアーチャー、ロープに逃げたオスプレイを無理やり掴んで引きずり起こし、トドメを狙います
コーナーに上げられたオスプレイ、しかしここは雪崩式スパニッシュフライで返し、ストームブレイカーで持ち上げますがアーチャーが着地。ハイキック、トラースキックと畳込みコーナーからのスーパーオスカッターを狙ったオスプレイ。しかし走り込んでコーナーのヒザで動きを止めたアーチャー、雪崩式ブラックアウトからのEBDクローで捕らえたまま3カウント!ランス・アーチャーが一勝目をあげました。
いきなりの熱戦となったこの試合、オスプレイが技を出しまくり、最後までカウント3への期待を持たせましたがアーチャーがそれを力で振り切ったという形になりました。
シングルプレイヤーとしてのアーチャーの覚悟、オスプレイのポテンシャルが見えた試合になりました。オスプレイは凄いですが、どこかで一つ締め技でのフィニッシュが欲しい。ヘビー級と闘っていく上で、体重差を克服する手段を手に入れないとしんどい場面が今後増えそうだな、と思いました。大技バンバンやってバンバン返されると力の差を感じさせてしまうので。
アーチャーはこれからに期待。EBDクロー、ブラックアウトと二本立てのフィニッシュが出来たことでどちらに持っていってもいいですし、勝ちパターンに幅ができた印象。きっちり動ける怪物レスラー。ランス・アーチャーが今年ブレイクする!そんな予感を抱かせる試合になりました。
第6試合 Aブロック公式戦
バッドラック・ファレ【1勝0敗=2点】
(11分33秒 バッドラックフォール→体固め)
“キング・オブ・ダークネス”EVIL【0勝1敗=0点】
いきなりEVILの奇襲で始まったこの試合。 しかし場外戦ではファレがEVILにボディプレスで反撃、先にリングに戻ります。
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第6試合Aブロック公式戦!@151012EVIL VS @TOKSFALE!
EVILの奇襲で試合はスタート!試合はそのまま場外戦へと発展!
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EVILのボディスラムを防いだファレ。エルボー、踏みつけ、パンチ攻撃で優勢に。さすがにEVILとファレ、同じ体型ですが並ぶとサイズの差は明らか。その重さを利用してファレが試合を有利に進めていきます。
しかし再び場外戦に持ち込んだEVIL、イスを持ち出して鉄柱攻撃でペースを握りにかかります。EVILがラリアット連発、ファレがボディプレスという肉弾戦の中、ファレがイスをリング上に持ち出してから試合は一気に荒れ模様。一旦はイス攻撃を防いだEVILですが、ラリアットを放った際にレフェリーを巻き込んでしまうことに。
レフェリー不在のスキをついて、ファレの首にイスを巻き付けてのイス・フルスイングを狙ったEVILですが、首のイスを投げつけられて防がれてからファレの急所攻撃が炸裂。お返しに首にイスを巻き付けられてからのフルスイングを食らったEVIL、レフェリーがリングに戻ってからバッドラックフォールを炸裂させて3カウント。バッドラック・ファレが初戦を勝利で飾りました。
去年はセコンドの介入で反則負け街道を走ったファレ。白星発進したことにより、今回はしっかりと結果を狙ってくることを匂わせてます。なんだかんだで巨漢の怪物レスラー。アーチャーが覚醒し始めている今、どこまで存在感を示せるか。正念場がそこまで来ているように思います。
第7試合 Aブロック公式戦
SANADA【1勝0敗=2点】
(21分12秒 オコーナーブリッジ)
ザック・セイバーJr.【0勝1敗=0点】
試合前から心のメインというか、二人のレスリングを見せてくれるという期待を持って見たこの試合、期待通りの激戦となりました。
ロックアップからSANADAがリストを取りに行くとザックがヘッドロックからのネックロック、しかしSANADAもこれを返して再びリストの取り合いに。
一旦手首を獲ったザック、しかしSANADAも回転して脱出、足をとっての弓矢固めもすぐにSANADAが脱出するといういきなりの目まぐるしい展開に。ここがただの形だけではなく、両者しっかりと相手を極めにいっている説得力とスピードが両立している見どころある攻防。序盤からしっかりと魅せてくれます。
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第7試合Aブロック公式戦!@seiyasanada VS @zacksabrejr!
新日本屈指のテクニシャン同士のこの一戦!どちらも譲らない一進一退の攻防が続く!
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そして今度は丸め込みの攻防。ザックがスクールボーイ、SANADAが潰してエビ固め、ザックが回転エビ固め、SANADAがジャックナイフ式エビ固めと次々と技が流れていく。ここでパラダイスロックを狙うSANADA,当然のように極めさせないザック。一進一退の攻防が続きます。なんというか、ずっと見ていたい。
去年のNJCで対戦した時はまだグラウンドで押されていた印象のSANADAですが、今回はしっかりと互角にザックと渡り合う。激しいイニチアシブの取り合いは続き、打撃でもザックのキック、SANADAのエルボースマッシュと一歩も引かず。
そこで空中戦では一日の長があるSANADAが場外に落としたザックにプランチャ、リングに戻してバックドロップからのスワンダイブ式ミサイルキック狙い。しかしこれを避けて卍固めで返していくザック。空中技も関節で返す、というザックのポリシーの強さが凄い。SANADAはラウンディング・ボディプレスも2回狙いますがいずれもかわされ、ヒザで迎撃されてと不発。それならとドラゴンスリーパーからのSKULL ENDを狙っていくも回転してかわされる。とにかくザックの返し技テクニックの凄さ、それにしっかりついていくSANADAが凄い。
SKULL ENDをかわしてヨーロピアン・クラッチでのフォールを狙ったザックですが、さらにそれを回転してのオコーナーブリッジに。これで3カウントが入り、ザックが呆気に取られる中、SANADAが初戦を飾りました。ため息。
ずっと見ていたかったくらいのこの試合。技術の塊のような攻防を魅せてくれました。ザックの新日本での試合はザックが関節地獄~相手が我慢してからの反撃、というループに陥りがちなので、自分としてはそこが不満だったんですが、一つ一つの攻撃にしっかりと切り替えせるSANADAという対戦相手を得たことでザックの魅力が発揮された試合だったように思います。いや~、いい試合だった!というか楽しかった!ずっとこの試合に浸かっていたかった。ほんとにいい試合でした!
第8試合 Aブロック公式戦
KENTA【1勝0敗=2点】
(20分51秒 go 2 sleep→片エビ固め)
飯伏 幸太【0勝1敗=0点】
ついに!ついにKENTAが帰ってくる!イタミ・ヒデオじゃなくてKENTA!ノア時代以来の日本マット参戦。そして相手は飯伏幸太!これはバチバチのしばきあいが見れる!という期待、そして腕のケガからの回復が思わしくない、というKENTAの噂があったことと日本のプロレスのリズムをつかめるかという不安、そんないろんな感情がありつつこの試合を迎えました。しかし「Takeover」ロゴの柴田Tで入場のKENTA、会場の隅でKENTAを見つめる柴田もしっかりとカメラが捉えるいわば「保険」をかけてきたテレ朝。そしてアメリカでの人気も高い飯伏の入場に湧く観客
いよいよ『G1 CLIMAX 29』がダラスで開幕!
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第8試合Aブロック公式戦!@ibushi_kota VS @KENTAG2S!
技の応酬!リング激しいどつきあいを繰り広げる両者!最後までリングに立っているのは!?
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試合はもう気持ちいいくらいの打撃戦。いきなり強烈な張り手をかますKENTA、すぐに返していく飯伏。ヒザからのハイ、KENTAもかわしてキックの連打からニードロップ。キチンシンク、PKととにかく蹴り技で攻めていく。よく見たらKENTAの太ももの太さがエゲつないことになっており、ここからも蹴りの威力が伝わってくるよう。
しかし、飯伏のバキバキの身体、そのコンディションの異常な良さに比べ、KENTAは少し身体が重そうに見える場面も。ちょっとした動きのミス、ドタドタした場面も有りそれが観客のテンションを少し下げる場面も見れました。これはこれから改善していくと思いますが、課題として残ったかなと。
それでも互いの迫力は衰えず。試合は徐々に飛び技の応酬となり、雪崩式攻撃を防いだKENTAに飯伏がスワンダイブ式ジャーマン狙い。これをこらえられるとオーバーヘッドキックで場外に叩き出してからの三角跳びブランチャに!見事にヒット!
しかしこれで足を痛め飯伏が一気に攻め込まれ、リングに戻されてからのスワンダイブ式ミサイルキック、低空ドロップキック、ダイビングフットスタンプのフルコース。KENTAが一気に攻勢に。
しかしgo2sleepを切り返されるとシットダウン式パワーボムを喰らい、カミゴェの体制に。これをかわしたKENTAが再びgo2sleepに捉えるも丸め込まれ、カウンターのニーからエルボー合戦、キック合戦、飯伏の掌底にカウンターのハイキック、ここから怒涛のKENTAのキック連打が側頭部に炸裂、4発バズソー連打からのgo2sleepがついに決まってKENTAの勝利。幸先の良い勝利を上げました。
ところどころ動きの重さがあったKENTAですが、そのスター性、雰囲気はさすがWWE帰り。そしてその攻撃性、たたみかけは凄かった。KENTAここにあり、をまず見せた、という試合でした。
しかしKENTAはこんなもんじゃない、もっと、もっと凄かったしもっと強かった。この丸藤戦はほんとに息を呑んで見たものです。再スタートは切った!これからこれから!
第5試合 Aブロック公式戦
オカダ・カズチカ【1勝0敗=2点】
(22分04秒 レインメーカー→片エビ固め)
棚橋 弘至【0勝1敗=0点】
そしてメインイベントは鉄板のオカダVS棚橋。もう何回シングルやったんだというこの試合。 予想通り、安定の激戦が繰り広げられました。
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— njpwworld (@njpwworld) July 7, 2019
第9試合Aブロック公式戦!@tanahashi1_100 VS @rainmakerXokada !
G1開幕戦のメインを飾るのは昨年覇者とIWGP王者の対決!果たしてどんな闘いを繰り広げるのか!?
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しかし、やはり体調的に棚橋を上回るオカダ。棚橋もエルボーからエアギターポーズを決めるなど、雰囲気を自分に持っていこうとしますが徐々に試合をコントロールしていったのはオカダだったように思います。
先に棚橋の得意技ドラゴンスクリューを出し、後にロープ際でのドラゴンスクリューで返されるもフラップジャックで反撃して追撃を許さず。ネックブリーカー、リバースネックブリーカーと度々首攻めを見せてからレインメーカーポーズへ。
棚橋も丸め込みで返し、テキサスクローバーホールドへ。そして場外に逃れたオカダにハイフライフローを放つ棚橋。久々に解禁したハイフライフローに今回のG1への覚悟が見れました。
そして終盤はレインメーカーに向けての互いの手をつかみ合った状態での攻防に。棚橋も丸め込みで返し、スリングブレイド、ドラゴンスープレックスで反撃していきますが、ツームストン・パイルドライバーからのレインメーカーが決まり3カウント。オカダが棚橋を降し、順調に一勝目を飾りました。
正直、何度も繰り返されたオカダVS棚橋。ブランドがある状態でのメインイベント、しかもその前の2試合が違うベクトルでの凄さを見せた後。というこの緊張感の中、しっかりと安定の新日本プロレスを見せた、というそんな試合でした。
しかし、もうさすがに何度も見たこの試合。棚橋が動き的にキツくなってきてるな、という部分を感じたりはしましたが、なんというか「きっちり魅せた」という感想になってしまう試合ではありました。
こうして終わった新日本プロレステキサス大会。とにかくこの日はSANADAvsザック・セイバーJrが見れた喜びがありました。スピードと技術、そして華やかさをギュッと詰め込んだような試合。この二人のシングルはとにかく金払って見る価値がある!
飯伏vsKENTA、アーチャーvsオスプレイも面白かったし、メインはしっかり魅せてくれた、しかしまだまだ始まったばかりのG1クライマックス。こんなんが一ヶ月続くとなると空恐ろしくなってきますが、とにかく選手の皆さんはケガなく(早速飯伏がケガしてたみたいですけど)無事に完走してくれることを祈ります。面白かった!