G1クライマックス3日目、北海きたえーる大会を新日本プロレスワールドで観戦しました。この日はAブロック二戦目。なんといっても鈴木みのるVSタイチが注目カードというか心のメインと言うか。その他にも石井VSオスプレイ、飯伏VSジェイ・ホワイトと高カードが並ぶこの日。今回から試合描写をザックリ削って私の感想メインにしてみました。というわけで御覧ください。
- 第2試合 G1クライマックスAブロック公式戦
- 第3試合 G1クライマックスAブロック公式戦
- 第4試合 G1クライマックスAブロック公式戦
- セミファイナル G1クライマックスAブロック公式戦
- メインイベント G1クライマックスAブロック公式戦
第2試合 G1クライマックスAブロック公式戦
○ジェフ・コブ
(11分44秒 ツアー・オブ・ジ・アイランド→片エビ固め)
✕鷹木信悟
短時間でぶつかりあった肉弾戦、チョップ合戦、タックル、パンピングボンバー連発と肉弾戦でぶつかっていった鷹木ですが、ジェフ・コブのスープレックス攻勢。高速ジャーマンからのツアー・オブ・ジ・アイランドでに沈む形に。
とにかく冷蔵庫体型のジェフ・コブ相手に気持ちいい試合をして気持ちよく散った鷹木。短時間で弾けるような、気持ちいい試合でした。
第3試合 G1クライマックスAブロック公式戦
○オカダ・カズチカ
(12分01秒 変型コブラクラッチ)
✕高橋裕二郎
前シリーズからオカダに絡み続け、ついに対戦にこぎつけた裕二郎。のっけから花道への攻防から場外戦に持ち込み、その後もオカダが初戦で痛めたと思われる腰を攻めつつのらりくらりとペースを握って苦しめますが、インカレスラム、マイアミシャインと叩き込むも東京ピンプスは防がれてローリングラリアットからのコブラクラッチでタップアウト。裕二郎の持ち味が出た試合ではありましたが結果はオカダの勝利。
今後裕二郎がオカダのストーカーとなるのか。G1当落戦上っぽい裕二郎、どこかで大物食いをして欲しい。裕二郎的スタイルでタイトル戦線絡んでくれると面白くなるはず。ガンバレ裕二郎!
第4試合 G1クライマックスAブロック公式戦
○タイチ
(12分11秒 ブラックメフィスト→片エビ固め)
✕鈴木みのる
そして心のメイン、鈴木軍ボスにタイチが挑むシングルマッチはG1公式戦。
2011年に小島聡を裏切って設立した鈴木軍。鈴木みのる、タイチ、TAKAみちのくの3人での結成でした。その後ランス・アーチャー、デイビーボーイ・スミスJr、エル・デスペラードらが加入、2015年から2016年まではプロレスリング・ノアに参戦、2017年新日本プロレスに舞い戻ってからも金丸義信、ザック・セイバーJr、DOUKIが加入するなど勢力を増し、タイチがヘビー級転向宣言してからは初、2016年のタカタイチ興行以来の一騎打ち。
正直この鈴木軍天王山、10年間の歴史を背負った一騎打ちがセミ前なのに不満があった私ですが、この試合は二人のゴールではなく、スタートだったということが試合を見て感じたことです。この試合の流れがまさに鈴木軍の歴史というか。
いきなり首を掴み合い、来いよ!と凄むみのる、逆に掴み返すタイチ。そこにはもう線の細さもなく、後輩、弟子という空気もない一対一の闘い。両者イスを持ち出してチャンバラ!タイチもマイクスタンドで一撃からイスフルスイング!
そして一転、イスを捨てたタイチが一転技の攻防にシフト。川田ばりのステップキック、エルボー合戦からアックスボンバー、ジャンピングハイキック!
みのるも執拗にスリーパーからのゴッチ式パイルを狙うもことごとく阻止したタイチがブラックメフィストで切り返してカウント3!タイチ勝利!ボス超えを果たしました!
初のみのる超えを果たしたタイチ。しかし、これで完全に「鈴木みのる」という存在を超えたかと言うと「否」だと私は感じました。嵐のように短期決戦で決着がついたこの試合。このあとどこかで改めて一騎打ちを見たいという期待感を高めるような試合でした。
今度はじっくりと組み合って、鈴木みのるの関節技がタイチを捉えるか。タイチがあべみほを伴って自分のペースに引き込むか。周りに鈴木軍のセコンドがいてどう関わっていくか。すべてを含め、互いを味わうような試合を見たい。今日スタートラインに立った二人。そんな気持ちにさせる試合でした。
セミファイナル G1クライマックスAブロック公式戦
○ウィル・オスプレイ
(18分20秒 ストームブレイカー→片エビ固め)
✕石井智宏
初戦では小手調べ的な感じだったオスプレイが石井を相手にポテンシャル全開! ヘビー級の身体になったままジュニア時代の飛び技をバンバン出してくるオスプレイに脳がバグるというか。急に体重増やしたからか筋肉のカットはジェイとか飯伏に比べてユルめなんですがでも飛べるのが凄い。場外、リング内と飛びまくり、出せる技全部出した上でのストームブレイカーで石井に勝利したオスプレイ。確実に優勝候補に躍り出た感はあります。
石井は負けても価値が落ちない負けというか。頑丈さがハンパないところを改めて見せつけてくれました。両者の良さが出た試合。オスプレイVS飯伏幸太を早く見たくなりました。動きのキレは飯伏に軍配が上がるような気がしたこの試合でした。
メインイベント G1クライマックスAブロック公式戦
○ジェイ・ホワイト
(20分28秒 ブレードランナー→体固め)
✕飯伏幸太
とにかくジェイ・ホワイトの右膝一転攻めを飯伏がその身体能力で跳ね返す、という20分。20分攻め続けるジェイのヒザ攻撃バリエーションも凄いし、いちいちそれを返し続ける飯伏も凄い。終盤、きっちりレッドシューズ海野を排除して金的の流れから外道を排除した飯伏幸太、カミゴエを狙うも切り返してブレードランナー!脳天から落下して一回転した飯伏幸太、ジェイ・ホワイトが抑え込んでカウント3!
とにかく凄かった飯伏幸太のブレードランナー受け!脳天から落下して一回転する飯伏幸太。この「ブレードランナー受け」で、ジェイ・ホワイトの最適な好敵手は飯伏幸太になった、と言っても過言ではないのではないでしょうか。
私、前からこの「ブレードランナー」って技は相手がどう受けるのが正解なのかいまいち分からずにいました。一回転する選手、そのまま潰れる選手と別れていてどっちが正解なのか。一回転するとなんとなく変形DDT的でもあるし、潰れるとフェイスクラッシャー的でもある。受け手によってかなり印象の違う技ではありますが、今回の飯伏は垂直落下的にうけてゆっくりと一回転するという凄さ。この「正解」を導き出したことにより、ジェイ・ホワイトの「正妻」は飯伏幸太になったのではないか。ジェイを一番活かせるのは飯伏幸太になった。飯伏は負けましたが、そのポテンシャルを見せつけた。そんな試合だったように思います。
と、こうして終わったG1クライマックス3日目。やはり心のメインは鈴木みのるVSタイチ。これからこの二人の関係性がどうなっていくかも楽しみですし、次シングルやるならぜひ生で見たい。そんな期待値をアゲてくれるシングルマッチでした。セミ、メインも凄かったですが、今までの歴史、関係性、それを踏まえて魅せてくれた凄い試合でした。これからの鈴木軍から目が離せなくなる。そんなG13日目でした。