男マンの日記

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東京スポーツ、新日本プロレス・観客動員低迷の記事について考える

新日本プロレス・観客動員低迷のニュースが東スポから!

先日9月4日、9月5日に行われた新日本プロレスメットライフドーム大会。この大会が終わった直後に東京スポーツから観客低迷についての記事が発信されました。それがこちらです。

www.tokyo-sports.co.jp

この記事の概要としては、メットライフドーム大会の客入り、初日が2095人、2日目が2780人(主催者発表)だったことで(実際、椅子席の後ろにはけっこうな空席がありました)木谷オーナーが危機感を覚えている、という内容でした。

ちなみに埼玉県のガイドラインによるとこの大会の観客上限は5000人となってます

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そして、木谷オーナーが語ったところによると、この現状を謙虚に受け止めて、反省しないといけない部分はある、低迷をコロナのせいだけにせず、興行のボリュームアップなど努力の余地はある。このままだと来年の東京ドームも不発になりかねない、とのことでした。紙面の口ぶりによると結構な危機感を覚えているようにも感じます。

2020年のドーム大会に木梨憲武を起用するなど、新日本の方針に「木谷イズム」が少しづつ反映されているように感じます。

以下は木谷オーナーの経営についてのエントリ。ご参照ください

otokoman.hatenablog.com

それではこの「観客動員低迷」はどれくらい憂うべきことなのか、原因はなにかについて考えようと思います。

   

メットライフドーム観客動員低迷の「3つの理由」

他の大会はともかく、この西武ドーム大会の「観客動員低迷」の理由はとりあえず3つ挙げることが出来ます。

  • 分散されたスター選手、少ない試合数

まず、木谷オーナーの言葉にもあるように、この2日間の試合数は合わせて10試合。1日5試合というボリュームでした。メインイベントはタイトルマッチ、特に2日目は4つものタイトルマッチがありましたが、鷹木・棚橋・飯伏・内藤・SANADAら、基本的にトップ選手はどちらか1日のみの出場でした。つまり、スター選手の出場数は通常のビッグマッチの半分ほど。これはそもそもの上限観客数が5000人であることを考えての処置でしょう。そもそも緊急事態宣言下、外出をためらう人々が多い中、観客動員を押し下げる大きな要因だったように思います。ちなみに今年の1・4はほぼフルメンバー出場で12000人超えの動員。緊急事態宣言前でした。

  • 通常のビッグマッチ同様のチケット価格

そして、選手数が削減されているにもかかわらず、チケット料金は通常のビッグマッチ価格。前売り券の価格は以下の通りです。

ロイヤルシート 15,500 
アリーナ       12,500  
スタンドA      9,500  
スタンドB      7,500
スタンドC      5,500 
車椅子席    7,500 

1月のドームはロイヤルシート30.000、2Fスタンドは6.500と、そのときよりは安くなっていますが、やはり出場選手のいつもからの減り方を考えると割高感が合っても仕方がない。少しずつ値段を下げては居ますが、「割安感」を演出するには足りなかったのではないでしょうか。

  • メットライフドームという場所的な不利

そして今回、最も客入りに影響したのが「メットライフドーム」という立地だったんじゃないでしょうか。新日本プロレスがメットライフドームを使用したのは2014年のG1クライマックス優勝決定戦以来。7年間使用していなかったわけで、それにはそれなりの理由があり、それは確実に都内からの交通の便だったはず。ちなみに前回の観客数は18000人の大観衆。台風接近のために開催が危ぶまれた中のこの観客数でした。

メットライフドームには、例えば東京駅からだと西武池袋線で準急に乗っておおむね1時間半ほどかかります。やはり東京ドーム、日本武道館、両国国技館に比べるとちょっと「旅」感がある。それに加えてコロナ禍で「県境をまたぐ」行為に対してちょっと警戒感と抵抗感もある。このことも観客動員にかなり影響したように思います。

 

と、この3つの要因が今回の観客動員の原因となったと私は思っています。決して試合がつまらなくなったからとか、乱入、反則が増えたから、という単純な理由ではないはず。試合数は減りましたが、それぞれの試合時間は長く、気合の入った熱戦が多くありました。(ちょっと長い試合が多すぎる気もしましたが)観客動員が減ったからといって新日本が怠慢、つまらない、というのは短絡的な考え方なんじゃないでしょうか。

   

新日本プロレス「コロナ禍」との闘い

ただ、実際最近の新日本プロレスが観客動員で苦戦している場面があるのは確か。地方大会が減り、後楽園ホール大会が増加したこともあり、8月25日の後楽園ホール大会は279人の集客でした。高橋ヒロム復帰戦となった8月27日の後楽園ホール大会も満員マークがつかない580人。後楽園ホールも通常の半分しか客が入れられないため700人台で満員ではありますが、ここは満員マークをつけたかったところです。

ただ、後楽園ホールのカードも工夫されていて、イルミネーションマッチ、NEVER6人タッグなども組まれ、普段スポットが当たりづらい選手も光ったりしているのでマッチメイクの工夫がされているのも確か。ただメインどころが出場しないことが多いのが客入りの苦戦に続いていると予想されます。

 

新日本プロレスも上限700人の大会に全力を注ぐわけにもいかない事情があるのでしょう。シンプル年棒制なら選手にたくさん出場してもらったほうが会社としても得だと思いますが、試合給がプラスされるシステムになっているとある程度観客動員に比例して出場選手を絞らざるを得ない。ゆえに試行錯誤が続いているんじゃないでしょうか。

ただ、そんな中でも永田裕二、小島聡、鈴木みのるらのAEW参戦など、海外への布石を打ちつつ試合数を確保する努力を続けている新日本プロレス。来月緊急事態宣言が解除され、来年にも海外渡航が用意になると色々な展開が待っているはず。それまで木谷オーナーが話していた「流行ってる感が大事」という説をどれくらい守れるか。苦しく見えるからこそ、これからの新日本プロレスに注目したいと思います。

 

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