KAMINOGE.116 ボンサイ柔術、田村潔司、そしてヒコロヒー!
今月発売のKAMINOGE.116を買いました。
今回の特集は今をときめくボンサイ柔術。朝倉未来を破ったクレベル・コイケ、そしてトフィック・ムサエフを破ってRIZINライト級王座に輝いたホベルト・サトシ・ソウザが表紙。先日のRIZIN.28で一夜にしてスターダムに上り詰めた二人、そしてボンサイ柔術そのものの成り立ちに迫るインタビュー企画となっています。
そして注目は先日のGLEAT.1を終えた後の田村潔司インタビュー。田村が旗揚げ戦をどう見たか。今をときめくヒコロヒーも登場の本誌、目次はこちらです。
[ILLUSTRATION]
●五木田智央の『画画画報』[COLUMN]
★プチ鹿島 『俺の人生にも、一度くらい幸せなコラムがあってもいい。』
特集/ボンサイ柔術
[INTERVIEW]
■ホベルト・サトシ・ソウザ■クレベル・コイケ
■マルコス・ヨシオ・ソウザ&坂本健
[COLUMN]
★バッファロー吾郎Aの『きむコロ列伝!!』[INTERVIEW]
■田村潔司[COLUMN]
★鈴木みのる『鈴木みのるのふたり言』[FORUM]
■斎藤文彦×プチ鹿島『プロレス社会学のススメ』[COLUMN]
★兵庫慎司『プロレスとまったく関係なくはない話』[変態座談会]
■玉袋筋太郎「西村修」変態座談会[COLUMN]
★椎名基樹 『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』[INTERVIEW 大井洋一の冗談じゃない!]
■ヒコロヒー[COLUMN]
★坂本一弘『馬乗りゴリラビルジャーニー』(仮)[NONFICTION]
『TARZAN BY TARZAN』[COMIC]
★古泉智浩 『仮面サンクス』[COLUMN]
★伊藤健一『涙枯れるまで泣くほうがEマイナー』[INTERVIEW]
★マッスル坂井
ボンサイ柔術の歴史となりたち。みんなボンサイが好きになる!
特集のボンサイ柔術インタビューはホベルト・サトシ・ソウザから。先日トフィック・ムサエフを三角締めで仕留めてRIZINライト級チャンピオンとなりましたが、なんといっても泣けるのはタイトルマッチ前の国歌斉唱。
サンパウロ生まれの日系ブラジル人でありながら、サトシはブラジル国歌ではなく、あえて君が代を選択。このことからも日本を大事にしてくれていることが伝わってきました。廣田戦で勝った後の「UFCじゃない!ここRIZINだよ!」の名台詞は煽りVとかで使い倒されてますが、日本に、ボンサイ柔術に強い思い入れのあるサトシ。
インタビューも、本人の真摯に格闘技に取り組む姿勢、生真面目さが伝わるものでした。ああ、この人いいひとなんだろうな~、っていうのが言葉の端々から感じられました。これ読んだらみんなよりサトシを好きになりそう。いい人すぎました。
そして次はクレベル・コイケインタビュー。こちらはサトシとちがいかなりヤンチャというか。14歳で日本に来てからのエピソード。ケンカなどしていた時期もあり、でも犬が怖くて虫が嫌いというその高低差が凄かった。こちらもクレベルを好きになりそうなインタビュー。
そして、二人のインタビューの後はボンサイ柔術の歴史、なりたちについてサトシの兄であり柔術家のマルコス・ヨシオ・ソウザと坂本健氏へのインタビュー。「盆栽」という名前の由来や、彼らが日本で道場を開くときの苦労などに語っていました。色んな人の尽力でボンサイ柔術が成り立っているのを読むと、本当にRIZIN.28で二人共勝ってよかったね!!という気持ちになりましたよ。ええ。読み応えあるインタビューでした。
田村潔司・悩む。LIDET UWFのゆくすえ。
そしげGLEATエグゼクティブプロデューサー、田村潔司へのインタビュー。まあまあ頻繁に行われる田村インタビュー。今回もインタビュアーは堀江ガンツ氏。
旗揚げ戦後だけに、その感想が主になる構成でした。演出自体は凄いけれど、LIDET UWFはまだ選手が育っていないので「あんなものかな」という印象のよう。
そして、観客にUWFを伝える、そのためには選手にもUWFを好きになってもらう必要がある。しかし田村が選手時代とは色々と世の中が変わっているため伝える難しさも感じる、と話していました。
旗揚げ戦に関しては船木誠勝の凄さ。プロレス、UWF、格闘技を経験している船木は実力もさることなgら闘いの中での表現力も違う。UWFと表現力、というのは語られないけれどもとても重要。ラッパ(先輩が上になり、後輩をひたすら極め続けるシゴキ的ななにか)も表現力をつけるには重要、と、まさかのこのタイミングでラッパの効能が語られてました。そんな意味あったのか!あったのかなぁ・・・?
そこから話はメインを務めた田中翔についての話へ。試合後はかなり認める発言をしていた田村でしたが、実際は「新日本プロレスってこんなものか」とも思ったとのこと。SHOには感謝しているけど、UWFの格闘プロレスの表現ではまだまだ、ということのようです。そして、UWFに興味があるから出てきたと思うので、一度一緒に練習したい、とも語っていました。上から目線かなぁ、と気にしてましたが、まあ評価する立場なので仕方ないのかな、と。ただ、昔こんな試合してた田村からしたらそりゃ旗揚げ戦は不満だろうな、と思います。
田村潔司インタビューを読むと、UWFの要素として強さそのものもですが、格闘の表現、プロレス的な表現をかなり重視していることが伝わってきました。ガンツ氏が喋っている分量が多めだったためか、より田村の考えが補強され、引き出されているように感じました。
ちなみに、メルマガ「Dropkick」で、GLEAT旗揚げ戦を終えた船木誠勝インタビューを読んだら、かなり正直な言葉が並んでいて面白かったです。「メインの選手を他団体から読んだらダメ」みたいなこと言ってましたし。田村には凄く褒められたみたいです。その光景を想像するとちょっとおもしろい。
ちなみに旗揚げ戦(というかメイン)についてのエントリはこちらです。UWFというものの継承&青春成長ストーリーの組み合わせがLIDET UWFなのかな、と想像した次第です。
UWFの伝え方に苦悩する田村潔司。その試行錯誤が伝わって面白いインタビューとなっていました。出来れば「LIDET UWF連載」みたいなのをネットでやったりとかしてほしい。田村にはもっと喋ってUWFを伝えてほしい。数少ない「プロレスの一種としてのUWF」をしっかりと伝えられる選手だと思うので。いや、楽しめました。
ちなみにハードヒットの名前は一つも出てきませんでした。んあ~、ツームストン...
LIDET UWFvsハードヒット開戦時のエントリ。かなりバチバチ感出てました
ハードヒットとLIDET UWFの成り立ちの違いについて。プロレスと格闘技
そしていよいよ実現したLIDET UWFvsハードヒットの対抗戦。緊張感あって面白かったです
その他にもひたすらボヤきまくりつつ芸についての話も興味深かったヒコロヒーインタビューや、もう100回くらいコスられた話で盛り上がる西村修などなど興味深い記事満載をKAMINOGE116。格闘技とプロレスの狭間を行き交うような雑誌ですが、今回それが顕著だったように思います。面白かった!